「エル・システマ」音楽の持つ力

横浜ライオンズクラブという奉仕団体の友人より「エル・システマにバイオリンを寄付したいんだけど用意して下さい」と依頼が有った。突然のエル・システマの言葉にちょっと困惑しながら。そうそう以前ニュースで見た事があるな!と思いだしながら「南米の何処かのジュニアオーケストラだったかな?」と聞くと「ベネズエラですよ。今、東北被災地の福島県相馬市にエル・システマが発足されていて そこに寄付をしたいと思っているんですよ。楽器は、梅根さんに頼むしかないでしょう~宜しくお願いします。」との申し出。「3月5日にエル・システマジャパン代表 菊川氏を招いて寄贈セレモニーを行うのでそれまでに用意頂ければ助かります。先方の希望として3/4の大きさのバイオリンが欲しいそうですのでどうにか2本用意できれば?」と彼が言うので「2本???ところで予算は?」と聞くと「そこなんですよ~~予算として○○万円しかないんですよ~そこで梅根さんにお願いするしかないんですよね~~ハハハ~~!」僕は、その予算よりも3/4の大きさのバイオリンにちょっと引っかかりを持って「僕の所は、ピアノ屋さんだぜ、バイオリンの知識は無いんだよね~ピアノならどうとでもするけれど・・・いやいや難問だね~~それに3/4て使用期間が短いのにそれ2台で良いの?それに、わざわざセレモニーするのに2台じゃちょっとしょぼい感じするなぁ~~」と言うと「そこん所を踏まえてお任せ・・・というところで宜しくお願いします。」とこんな感じのやり取り。まぁ同じ仲間の依頼だからしょうがない一肌脱ぐしかないな!そこで友人のバイオリニスト佐藤理江さん(娘さんは、、若手美人バイオリニスト佐藤英莉香、ご主人は、佐藤大祐 フルートで洗足音楽大学講師、横浜室内合奏団を主宰している音楽一家)に直ぐに電話。「カクカクしかじかと説明をしてこの予算でバイオリン3台出来れば4台用意出来ないでしょうか?」と尋ねると「私達のバイオリンのメンテナンスをしている業者に聞いみます、ちょっと待ってて!」とすぐさま折り返し電話があり「お話の概要をお伝えしてどうにか力になってくれる様にお願いしておきましたので詳しい所を直接電話して下さい。中目黒弦楽器の蛯沢さん・・・・明日、私も用事が有って行くのでその時にまた強くお願いしておきます」直ぐに中目黒弦楽器の蛯沢さんに電話を入れて詳しくお話をして3台ならどうにかと最低限の確約を頂いて出来るだけ希望に沿うように頑張りますと心強い返事に少し安心した。そこで先日、中目黒弦楽器さんより4台のバイオリンが送られてきました・・・・随分頑張って頂きました。蛯沢さん心より感謝申し上げます。

 

DSC_0725

 

サイズは、3/4・1/2・1/4・1/8の4台。何とも楽器を眺めるとなんでしょう・このワクワク感、嬉しくなってしまうのは、なぜに???このエル・システマは、ベネズエラの貧困の子供達に無償で楽器の提供と指導をする事で集団での音楽体験を通じて協調性・忍耐力・自己表現力が身に付けられ貧困による子供達の犯罪、非行の抑止力としての役割を果たす。その成果と演奏が世界中の注目を集めている。そのエル・システマが、震災の爪痕残る福島県相馬市を拠点に活動を始めている。日本では、犯罪や非行の抑止とは縁遠いのでしょうが、被災地の苦難に立ち向かう英気を音楽を通じて養い、またその演奏を披露する事で東北の皆様方に大きな活力を与える事となるでしょう。また、私達もその演奏を聞く度に今もなお続く復興の問題や原発問題を真剣に考え人助けの精神、ボランティア魂の火を消さぬ様に肝に銘じなければなりません。