2015年5月21日(木)に鎌倉の清泉小学校にて第34回遠藤郁子ピアノリサイタルが開催された。昨年は、4月後半にアナウンサーの渡邊あゆみさんが朗読をして全曲ショパンで幻想ポロネーズに完全にノックアウトされたのを良く覚えています。先日のコンサートでは、最初にバッハとシューベルトのアベマリアを演奏された。どちらもだれでも良く知っている曲ですが、シューベルトのアベマリアをピアノだけで見事に演奏され、そのやさしさがホール全体を包み込んで子供達にもその素晴らしさが良く伝わった様でした。今回も子供達に解りやすく全ての曲の説明を遠藤先生自ら丁寧にされてそこには、あの厳しい遠藤先生とは違ったやさしい先生がいらっしゃいました。
このコンサートの3日前から我々ピアノ調律師は、一年に一回使用されるピアノの準備をします。毎年の事ですが、全てバラシての作業ですので、それはそれは、大変です。今回は、筬の調整をした為に鍵盤ならし・あがき・鍵盤調整と大幅な調整変更が余儀なくされてかなりの時間が掛かってしまった。そこが変わると整調全般、なんだか全ての見直しとなってしまった。しかも、アベマリアからベートーベンソナタから後半は、ドビェッシー・ショパンとなるとちょっとややこしくなるがそこは、遠藤先生専属の調律師である五家氏が何時も乍らの完璧な仕事でみごとピアノを仕上げて無事本番を迎えられた。34回目というと最初に遠藤先生の演奏を聴いた子供がもう40歳。すでに子供が居て、その子がまた遠藤先生の演奏を聴いている。きっとそんな子供達が沢山居る事でしょう。教育の根幹である「続ける」という事と本物に触れさせる。しかも質の高い本物の演奏を34年に渡り続けている清泉小学校の教育の質の高さに改めて感心させられた。