毎年恒例1月の寒い寒いお仕事!

今年のお正月は、天気に恵まれ暖かな日が続き皆様も気持ちの良い新年を迎えられた事と存じます。ただ残念なのは、暦のめぐりあわせで大方の社会人は、例年より短いお正月休みとなった模様です。それに引き換え子供達の学校始まりは、10日からと暦に恵まれた模様です。今回は、毎年恒例1月の学校調律について少し書き記したいと思います。

 

お客様より時折、「学校は、何時ピアノの調律やっているんでしょうか?ちゃんとやってるのかしら?」なんて聞かれることがあります。私は、「生徒達がお休みの時、春休み・夏休み・冬休みとその間に調律に行きますよ」すると「うちの子が通ってる学校は、やってるのかしら?いつも子供が音が狂ってるとか変な音がするとか壊れてるとか言ってますよ!」「ちゃんとやってるでしょう・・・きっと?・・調子が悪いのは、その学校に僕が調律に行ってないからでしょう(笑)!」「きっとそうね~私が今度校長先生に言っておくわ~(笑)!」なんて他愛のない会話でお客様宅にお伺いしています。弊社も公立・私立と学校の仕事をさせて頂いており今年も新年早々、学校が始まる前に調律に行って来ました。今年は、暖かかったので助かるなぁ~と思っていましたがその考えは、甘いものでした。6日から何故か急に寒くなってしまった。

朝、学校にお伺いして職員室に立ち寄ると大勢の先生方が職員室で何やら忙しそうに働いている。まぁ考えれば生徒は、お休みでも先生方は出勤?です。担当の先生に「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。」「おめでとうございます。新年早々申し訳ございません毎年ありがとうございます。どのピアノから始められますか?」「それでは、暖房のある音楽室から始めてもよろしいですか?」「はい、宜しくお願いします。」そんなこんなのご挨拶で早速作業に向かう。子供の頃は、感じなかったが大人になると学校と云う所は広い。15㎏ある調律鞄を抱えてまずは延々と廊下を歩く。そして4階まで階段を上りたどり着いたと思うとそこからまた延々と廊下をくねくねと歩いてやっと音楽室にたどり着く。もうその時点で息切れがしている。運動不足でしょ?いやいや15㎏抱えて歩くのですから、それにペタンペタンのスリッパに履き替えているのですからそれはそれは思いの外結構大変です。15㎏の鞄てそんなに工具必要なの?なんて思われるでしょうが何が有るか分からないのでついつい用心の為に色んな工具を詰め込んでいます。これは、ピアノ調律師皆さん同じだと思います。いかなる事態でも対処できるように欲張って工具を鞄に詰め込んでいる。しかしほとんど使わない工具が多くてそんな工具に限って重い。使わないし重いからと思って鞄から出すと不思議とその工具無しでは、修理出来ない事態に巡り合う。車のトランクには、あと3つも工具ケースをしのばしてあるし、のこぎりからカンナにドリルとこうなると調律師なのか大工さんなのか良く分からない始末。でもいざとなると全て必要になるのがピアノ調律師の仕事です。話が随分それましたが、音楽室は、暖房があるので暖かく生徒のいない学校で集中して楽しく仕事が出来るはずなのですが・・・。

体育館の調律となると話は、全然変わってとても寒い。寒いなんてものではありません。ある学校では、気温7度。別の学校では、6.2度湿度62%。ぞろ目だなんて喜んではいられません。この温度で62%の湿度という事は、梅雨時は、湿度80%超えるだろうと想像される。当然、ピアノ内部は、アクション(機械)の動きが悪く修理箇所が沢山あるので当然作業時間が伸びて3時間半くらい掛かってしまう。この6.2度や7度で長時間の作業は、さすがに体にこたえる。指がかじかんでドレミファソラシドのスケールすら運指がおぼつかない。当然、作業が終えて弾いてみようと思っても曲にならない。それともう一つこの寒さに拍車を掛けるのが教室や体育館のいたる所から聞こえるラップ現象。集中して仕事をしても突然気配を感じて急に背筋が深々と冷えたり急に足元が凍りつく様に冷える。このパキパキと鳴り続ける音と分からない気配に対して時折奇声をあげて応戦をしながら寒さと恐怖に震えながら調律をする。誰かがこっそり覗いていたら「あの調律師おかしいんじゃない?時々奇声あげてるよ(笑)」と思われてしまいますが、そんな事言ってられません。怖いんです。寒さと怖さと戦いながら勇敢に職務を遂行する。これがピアノ調律師の仕事なんです。なんてこんな事書いてるとまた長老たちに叱られちゃうかな(笑)・・・まぁこの程度じゃ叱られても背筋も凍らないか!