「ひと言」カテゴリーアーカイブ

猛烈に暑い8月の様子!

今年の夏は、酷暑続きで効率よく仕事がこなせない。ただでさえ頭脳の回転が鈍いのに加齢に加えこの酷暑が追い打ちを掛けて完全に思考が停止して生産性がすこぶる落ちている。そんな中、隅田川花火大会が4年ぶりに開催され103万人の人手で賑わったとの報道に耳を疑った。103万人ってどんな人手なんだろう?良く足を運ぶ浅草界隈に103万人???どうやって調べたんだろう?花火見れたのかなぁ~?熱中症大丈夫かな~?何よりトイレどうするんだろう??と余計な事とは言え色んな事が頭に浮かんで久々に頭脳の回転が上がった。今回は、そんなこんなの暑い夏の様子を簡単に書き記したいと思います。

鍵盤の小口交換と言えども最終作業は、全て手作業。

鍵盤関係の修理は、完了!

8つボタンで横幅がかなり大きい専用椅子。表皮が剥がれ汚い。

今日は、8月15日終戦記念日。戦後78年が経つそんな日に台風7号が関西方面に上陸している。関東は、午前11時で曇りで雨も降っていない。台風上陸や進行方向によりその地域の方々に大きな災害が起きませんようにただただ祈るばかりです。そんな7月8月は、ここ近年の暑さが尋常じゃない為に外回りの仕事は出来るだけ控えて作業場での修理仕事で暑さをしのいでる。しかし作業場は、エアコンで涼しいが倉庫は40℃を超える。そしてその倉庫での作業時間が意外に長いので結局暑いが外回りよりは楽しい。今年は、お客様の家の建て替えで1月からお預かりしているピアノの修理とクリーニングを仕上げておこうと7月から取り掛かっている。鍵盤の小口貼り換えにフレンジコード貼り換えとエアコンの効いた作業場で作業出来たので一気に仕上がった。残るは、椅子の張り替え。この椅子は、YAMAHA 106の専用椅子なので同じ色で同じ大きさの新品の椅子は、既製品では用意出来ません。表皮を張り替えるか他の似通った感じの椅子で我慢するしかありませんが、お客様の希望で張り替えをする事になりました。まぁ~残す作業は、椅子だけなので9月末辺りのお届けには十分に間に合う。早めに取り掛かって良かった。さぁ~次の作業がまたまたフレンジコードの貼り換え。

ある時期のYAMAHAピアノに起こるこの紐の交換作業。

毎日熱心にピアノを練習する一家のピアノで夏休みで帰省する間に修理して欲しいとのご依頼。弊社も夏休みなんですが(笑)。まぁ~この作業は、YAMAHAのある期間に生産されたピアノに起こる交換作業で他社では、まず出くわさない修理です。日本で一番ピアノが売れた頃なので販売台数がとても多くて弊社も年間何台もこの修理を行います。これでもう新しい紐に交換出来たのでもう切れる事はありません。綺麗に仕上がりました。後はお届けするだけです。順調順調!

ウィッペンの全からくり直し。 ダンパーは、全て交換。

ハンマーアセンブリー全てを交換

次の修理仕事は、5月の記事で紹介した60年前のピアノの修理。手始めにアクション(内部の機械)を分解してハンマー交換に消耗部分の全交換をします。これもはぼ涼しいお部屋で出来るので安心安心。ただハンマーの穴あけは、ボール盤のある倉庫なので暑さとの戦いになるがこの作業は、大好きな作業なのできっと暑さも気にならないと思う(笑)。

そんな時にグランドピアノの買い取りが立て続けに2件発生した。一人は、ピアノ講師で念願の外国製ピアノに買い替えして下取りです。もう長いお付き合いで一時期は、弊社で働いた事もあってピアノ調律から防音室の工事とずっと良い関係が続いています。これからその長年私が管理したピアノを外装から内部に渡り再生して商品にします。秋ぐらいかな?またここで紹介出来ると思います。そしてもう一台は、ここ数年調律はやっていないが殆ど使っていない綺麗なピアノの買い取り。前回の記事にお届けしたグランドピアノを「こんな綺麗でほぼ未使用のグランドピアノなんて日本中探しても無いでしょう。」と書きましたがひと月も経たない舌の根の乾かないうちにほぼ未使用のグランドピアノが入庫しました。大きさが一回り小さく前回より少し古いが「こんな綺麗なピアノは日本中探しても無いでしょう。」またまた同じことを書き込んでいる私が一番びっくりです(笑)!人に何と言われようが思われようが、こんな良いピアノだったら何回でも大歓迎!何回でも書き込んでやる~(笑)!色んなピアノと並行しながら作業をしてこのグランドも綺麗に仕上げます。もう今から楽しみでならない!願わくば、せめてもう10℃位倉庫の温度が下がれば頭脳も少しは回転して作業効率も上がって休みなしでも毎日楽しいのになぁ~(笑)!

 

 

 

 

 

 

2023年、暑い最中の作業!

2023年7月今年も半分を過ぎました。例年ならいやちょっと前ですと6月7月は、長梅雨で来る日も来る日もシトシトト雨が降って憂鬱な季節。気を許すと食パンにカビが生えていたり下駄箱の革靴にうっすらとカビが生えたりと被害と言えばそんな程度でした。それが今では、毎年連日の線状降水帯による想像を超える降水量を記録して水害・土砂災害で命を失ったり財産を失ったり以前の梅雨とは様子が余りにも違い過ぎる。明日は我が身とただただ恐れをなすだけで自然の猛威に対抗する術は何一つありません。この度も被災された方々には、心よりお見舞い申し上げます。今回は、そんな憎々しく暑い6月7月にピアノと格闘した様子を簡単に記事にしたいと思います。

鍵盤の小口貼り換え 変色した小口を新品に

鍵盤ならし・あがき 白鍵黒鍵の全ての鍵盤の高さを合わせ次に深さを全て綺麗に合わせる

コロナ騒動以来、国内の新品のピアノの在庫というか生産が追い付かないのか購入して頂いてもお届けに10カ月待ちなんてザラで中には、1年以上待たされる。勿論ピアノに限った話では無いのは重々承知している。半導体不足で自動車に住宅設備は、ことさら深刻な問題ですし家電製品加えて電子ピアノなどなど作りたくても作れない。そんな状況でしたが最近それも随分と解消されて来ている。今年の初めに友人が車を購入して「納車は、10月だって」なんて話を聞いていたが先日電話があって「7月末に納車だって、早くなっちゃったよ(笑)。半導体不足も随分解消されてきたみたいだね~!」と喜ばしいニュースを耳にした。しかし何故か半導体使ってないピアノの納期は相変わらずで定価もどんどん上がっている。当然、中古のピアノも買い取り価格の高騰と修理部材や塗料の高騰によりひと昔の新品の値段以上になってしまっている。となると中古のピアノと言えどもとにかく丁寧に手を入れて値段に見合った商品に仕上げなければならない。音、タッチに消耗部品など見えない所の些細な部分まで存分に手を入れる事は勿論の事。外装は、新品かな?と思える程の仕上がりが要求される。まぁ~調律師ならばその作業は、ただただ面倒な作業の積み重ねではあるが、綺麗に一つクリアする毎にピアノがあからさまに蘇るのでとっても楽しいの連続でたっぷりと時間を掛けてピアノと向き合えるので云わば至福の時間と言えるだろう(笑)。

バットスプリングコード交換 一番よくある作業

ついでにブライドルテープも交換、その折に全てのハンマーに針刺し

いよいよ組み立て

そんな中、ピアノの先生が「ずっと家を探しているんですけど新居が決まったらそこにグランドを入れたいのでよろしくお願いします。」と数年前に頼まれていた。弊社は、何台もグランドピアノの在庫があったので全く心配なく「了解です!」と二つ返事で請け負った。その依頼から数か月後、私のお金持ちの友人から電話で「今度家を建て替えるからあのグランドピアノだ~れも使わなかったしこれからも使わないから引き取るとか出来る?」「お~それは、欲しいなぁ~!高く買い取るよ!」と言って直ぐに引き取った。このピアノは、友人の娘が高校入学の時にお祝いに家に防音室を増築してYAMAHAの工場見学を兼ねてみんなでピアノを選定(選びに)しに行って私が選んでお届けした正に当たりピアノ。ただ使ったのは3か月位?でそれ以降は、だ~れも全く使わずに数年定期調律はしたもののここ10数年は、手つかずの状態でした。引き取ると使ってないからとにかく綺麗。ただ、使ってないので音は、鳴りが悪く湿気でタッチももっさり、鍵盤にはうっすらとカビが見られるが、こんな綺麗でほぼ未使用のグランドなんて日本中探しても無いでしょう。直ぐにあの先生の顔が思い浮かんで彼女の為に家が用意出来るまで取って置こうとお取り置きしました。彼女が小学校の頃から調律にお伺いして音大に行かれてピアノ講師になって今度は仕事で色々とつながりが出来て結婚をしてと長い喜ばしい良い関係が続いています。ただ新居へのグランドの件を了解してから既に2年が経とうとしていました。

もう3回目かな?微調整はこんな感じで立てて作業

何度も繰り返し合わせる

全ての作業を終えて出荷を待つのみ

何時でも運送屋さんには、頭が下がる!暑い中ありがとう!

今年の初めに携帯電話が鳴った「ようやく家が決まりました(笑)!家の工事の関係で7月あたりに引っ越しになると思います。」「じゃ~早速ピアノを用意しなくちゃね!」というと「はい、よろしくお願いします。」と元気な声が帰って来た。直ぐに弊社商品倉庫にピアノを運んで長年調律をやってないのでまず調律をしながら隅々まで観察する。使ってない綺麗なピアノと言ってもそこは細かな擦り傷や打ち傷は沢山あります。内部や弦の下は、ホコリが溜まっているし鍵盤は、カビがシミになっている。内部の機械は、まったく消耗がありませんが使われていないので動きが悪く鳴りの悪いピアノになっている。ただ、購入するときに私が弾いて選んでいるので調整をすれば全く問題ない良いピアノです。まず外装を仕上げて内部お調整は、調律と整調・整音を何度も何度も繰り返してとりあえず工場で新品のピアノを用意する感じのニュートラルな感じに仕上げた。早速、先生に弾いて貰うと「もう夢の様だわ!」ととっても気に入って頂けた。ただ、古い付き合いですから先生の好みは良くい分かっているつもりです。このピアノは、本当に使っていないまっさらのピアノですので先生に弾き込んで頂いてだんだん華やかに変わって行くつもりでいましたが、お届け迄、色々と調整を繰り返して整音をしているともう少しもう少しと色々と手を入れるのが楽しくてもう誰が弾いても物凄い良い音に仕上がっちゃった(笑)。さてお届けとなると2階窓よりピアノの方大きい。無事に入るのかなぁ~と心配をしながら見ていると体のあちこちに力が入って見ているだけで疲れちゃった。かなり時間は掛かったもののギリギリで無事にピアノ室に収まった。新居に収まったピアノに向かって「今度は、沢山弾いて貰えるぞ!」と撫でると引越しを明日に控えたガランドウの新居の音楽室に堂々と鎮座したピアノが一際輝いで見えた。