「#ピアノ調律 鎌倉」タグアーカイブ

ピアノ調律師の仕事

2025年も早くも今日から3月。関東は、晴天で暖かく春がそこまでやって来ている感満載で気持ちが良い。テレビのオジサン天気予報士が週明けには、猛烈な寒波が押し寄せて猛烈に寒くなると伝えている。最近の天気予報は、かなりの的中率なので疑いの余地はありませんが以前に比べると少し大げさに警告している様に感じる。三寒四温で春が来る、ただそれだけの事なんだろうにとさもさも分かったような気になってそんなどうでもいい事を感じながら今回は、色んなピアノ調律師から質問と云うか愚痴と云うか数名から電話相談を受けたのでピアノ調律師の仕事について近況を交えて記事にしたいと思います。

 

昨日2月28日に弊社は、消費税とか色んな税金の支払い日でした。口座引き落としなのですが、税金の支払いや引き落としは、AM8.00~PM7:00迄となってる。月末とあって別の支払いがあるのでAM8.00少し前から銀行振り込みの作業をしているとAM8:00になった瞬間に消費税が引き落とされ次々と税金が引き落とされその勢いのまま社会保険料の引き落としまで数秒。残高が一気に減ると人間目がくらむ!税理士からは事前に金額の連絡の提示があり分かってはいたものの数秒で大金(私にとって)が突然消え去るともう唖然としちゃって早朝からテンション駄々下がり~。唯一の救いは暖かな天気だけ。せめて朝は、綺麗なお姉さんの天気予報にチャンネルを合わせて無理やりテンションを上げてなんて思うのは元気な証拠なんでしょうね。実は、ここ数週間の間に色んな調律師さんから電話を頂いて相談を受けた。皆さん、技術的な事じゃなくてその他の相談だった。

鍵盤の高さ深さの調整 満足のいく調整には、ちょっと根気が

子供の数が減ってデジタルピアノが普及して調律の仕事が減ってしまっている。どうしたら良いでしょう!と要約すると皆さんそう言った相談でした。答えは簡単で「みんなそうですよ!あなただけじゃないですよ。だって少子化なんですもの絶対的な数は減るのは当然です。そこを如何に生き残っていくのかは、あなた次第です。」なんてそんな無碍な良い方はしませんがつまりはそう言う事なんです。ちょうど10日ほど前にピアノ調律師と演奏者などのSNSサイトに面白い投稿があった。一言に調律師といっても色々なタイプがあります。と書き出して①9割の調律師は、調律のみメインで行う。②1割の調律師は調律の他に整調も全鍵レベルで行える。③オーバーホールなどの大掛かりな修理が行える調律師は3%以下 ④整音(音色調整)まで1%以下と投稿があった。その投稿の1割だの3%だ1%だのどうやって調べた数字なの?正しいの?という疑問が残るが投稿者の意図は、とりあえず別にしてその区分けは概ね理解できる。

47年間全く手つかずのハンマーとアクション 可哀そう

つい先日、音楽専科の教員のご自宅のグランドピアノの調律に行ってきました。学校に調律に行った折に依頼されたのですが半年くらい前に調律したのに何だか調子が悪いのでお願いしたいとの事でした。早速お伺いしてピアノを触るとペタンペタンした薄い音で伸びも無く鍵盤の動きもすこぶる悪い。幾つか音の止まりが悪くずっと響いている状態。内部を覗いてみるとハンマーは、弦溝がクッキリ打弦点が打弦面に擦り減っていた。先生に「いや~困りましたね!ハンマーがこんな状態ですとどんなに調律しても良い音にはならないので、ちょっと費用は掛かりますが全部やりますか?天気も良いので外で作業出来ますし時間をたっぷりとってありますから」と提案すると「お願いします」とすぐさま作業を請負った。1978年製造のピアノで毎年調律をして大切にされている事が調律記録に記されている。そして購入時から同じ調律師が40年位ずっとお伺いしていたのですがその後連絡が取れなくなったとの事で昨年に2回近所の別の調律師にお願いしたとの事でした。この40年お伺いした方は、私も過去に何度かお会いした事のある調律師で私より二回り近くは年上だった様に記憶している。まぁ~どちらも先程の全体の9割の中に入る方で調律だけずっと繰リ返していた事が見て分かる。まず作業は、ご自宅の隣の広場で晴天と強風の中でハンマーを削って整形してアクション部のスティック修理をしてダンパースティック修理した後にピッチの下がっているピアノの調律をした。それだけでも結構時間が掛かるが打弦距離が余りに広くて整調作業を繰り返した後に再度調律をして同時発音に整音で無事作業終了になった。もっとやることがあるが4時間余りぶっ続けで作業に没頭していたのでかなり披露困憊となった。早速、先生に弾いて貰うとさすが触った瞬間に「いい!」とにっこりされてショパンを弾き始めた。その演奏を聴きながら4時間集中の身体の疲れは、徐々に癒されていった。

先程の答えで「あなた次第です。」の後に相談者にお話しした事の答えがこの投稿にある訳です。ピアノの調律師の仕事は、ご家庭のピアノの調律・維持管理。コンサートホールやスタジオ・学校などの調律・保守点検。それにピアノの修理そしてピアノの販売などなどピアノにまつわる事仕事全てがピアノ調律師の仕事だと考えます。日本は、高度成長にピアノブームを迎えて子供が居ればピアノというくらいに売れに売れた訳です。そのおかげでピアノ調律業務は大忙しで調律師不足からメーカーは、急遽調律師を養成してピアノが弾けない調律師も多く養成されました。日本の場合は、自然と分業制になってしまって調律だけする人・修理まで出来る人・大掛かりな修理が出来る人。時代背景もあって仕事に追われて自然とそうなった訳です。そしてピアノの爆発的なブームに支えられて最も多い調律だけの調律師は、それでも潤沢に仕事にありつけた訳です。その後、数十年経って少子化でピアノの保有率が下がると当然仕事が減る、年齢と共に引退や転職して行きました。それでもピアノが好きで調律の仕事が好きな人は、どうしたら良いのか困って誰かに聞いてみたくて私の所に電話をしてきた訳です。この道で生きて行くのなら9割の調律師から1割の調律師いや3%以下の調律師になる様にチャレンジと云うかピアノ調律師本来の仕事が全て出来る様にチャレンジするしかないのです。技術は直ぐには上達はしませんがピアノが大好きならば全く辛くも無く楽しくて少し上達するととっても嬉しくなっておまけに新たな仕事を見出して儲ける事が出来るとくれば希望は湧いて来るでしょう。最終的には技術て事?いやピアノ愛でしょう(笑)!

Discover Queen in鎌倉 覚園寺

今年の夏は、身の危険を感じる暑さが続いている。更に線状降水帯に加え落雷に突風と各地で被害が発生している。もう毎年毎年である。地球温暖化のせいなのか否かは、ピアノ屋風情には分かりませんが日本の気候が変化して色んな影響が出ている事位は分かる。いや分かる気がする。そんな中オリンピックがはじまり日本人選手の活躍が正気を取り戻す清涼剤となり、気になってついつい夜中にテレビ観戦して体中に力が入って興奮して寝不足になる。寝不足は熱中症の元ですから存分に水分を補給して仕事に取り組む。今回は、そんなこんなの体たらくな7月の様子とちょっと興味深い面白いコンサートの告知をしたいと思います。

2024年9月7日に「Discover Queen in鎌倉覚園寺」が開催される。エンタデュケーターでプロデューサーで作曲・編曲にエレクトリック鍵盤楽器奏者でピアニストで日本屈指のハーモニカ奏者と多才な西脇辰弥さんのイベントです。スペシャルゲストに佐藤竹善(sing like talking)さんを迎えてフレディ・マーキュリーとピアノと言った感じのイベントが開催される。そこで私、梅根がQueenのピアノについての解説をする事になってしまいました。このイベントには、日本中からQueenファンや西脇辰弥ファンが駆け付けますがそのお客様に失礼のない内容をご提供出来るか否か準備に奮闘し眠れない夏を過ごしております。

ディスカバーQueenとは、2021年4月から2022年4月までNHK-FMで放送された番組でメインパーソナリティーが熱狂的クイーンファンのサンプラザ中野さん。そしてクイーンの音楽をあらゆる角度から分析して分かりやすく解説する西脇辰弥さんが中心となって1年に渡りクイーンの魅力を深堀した番組でした。今と違ってアナログ録音の時代に色んなアイディアを駆使して作りあげた初期のアルバムから時代を追って曲の解析や詩の内容そして当時の機材と録音技術の妙技を西脇氏の再現で分かりやすく放送したり時代と共に進歩する機材によるレコーディングの変化、そしてメンバーの心境や環境の変化を照らし合わせて全アルバムを深堀解説した大変人気の高い高尚な番組でした。そして今回は、唯一ずっと変わらない筈のピアノの存在なのにQueenは、変化をもたらしていたという観点からピアノにピントを合わせたコンサートになる様です。Queenが大好きとかフレディ・マーキュリーのピアノが大好きとか鎌倉が大好きな方々へのちょっと面白い企画です。興味のある方は、是非お問い合わせください。

そのコンサートの打ち合わせで7月半ば過ぎ、猛烈な暑さの中,西脇辰弥氏が弊社の倉庫にいらっしゃった。打ち合わせと言ってもほとんどがエアコンの効いた部屋でQueenとかピアノの雑談というか綿密ではない打ち合わせ(笑)。それがとっても楽しい時間でした。西脇氏曰く「こんな話を当日してください。みんな喜びますよ~(笑)」と言われたがとっても話が楽しくて何を話したのかよく覚えていない(笑)。当日、とても再現出来そうもないがもうこうなったら自然体で普段通り話をする事にしようと思う。そうこうしているとピアノのタッチや整音の話になったので倉庫に調整中のグランドを見せる事になった。倉庫は、40℃を超える暑さですが、最初に調整中のピアノを弾いて頂いて途中整音をする所を実演したり使用する工具を説明したりと貪欲に興味を深くされていたのでとあるクラッシックピアニスト用にタッチや鍵盤に特別な調整を施したグランドを弾いて貰う事にした。触ると直ぐに「あ~違いますね~!」そして「このピアノは、弾けば弾くほど色んな事を教えてくれますね。」と言いながら色んなタッチを試みて音色を変化させている様子を見て「さすが第一線で活躍する一流のプロ。大したものだなぁ~!」とつくづく感心しながら心で呟いた。そうしたらベートーベンの月光3楽章を弾き始めた。その演奏が素晴らしく重ね重ね大したものだなぁ~いやもう脱帽でした。そしてこのタッチの説明を求められたのでこの場では、書けないウルトラCを説明して「とっても繊細な調整なので家庭に置くピアノにはちょっとリスキーなんですよ。でも毎日必ず使うピアニストにはたまらない調整です。」と最後に説明を加えると汗まみれの西脇氏の目がキラリと光った。さぁ~コンサート本番まで1月を切りました。まだまだ準備をする事がありますがどうか当日、皆さんが喜んで楽しんで頂ける様に準備を重ねたいと思います。また、その様子は、この場にアップしたいと思います。どうぞ皆様、熱中症にお気を付けてオリンピック日本チャチャチャでお過ごしください。