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2025年秋の様子!

2025年10月は、近年久方ぶりに秋模様が楽しめる当たり年とでも言いましょうか、夕焼けが美しくこれから紅葉は、更に深まるそうだ。そんな気持ちの良い日が続いていた途端に急に寒くなって慌てて暖房器具を取り出しだ。昨年も作業場で突然の寒さにストーブを引張りだした記憶がよみがえるが油断してると今年も同じ状況なのに何だか今年の方が更に寒い気がしているのは私だけかな?そんな今年は、毎日の様に「くま出没」のニュース。いきなり人が襲われて命を落としたり大怪我をしたりと今や人間の天敵状態。連日街中やスーパーマーケット、家の中に侵入なんてもう緊急事態です。クマと言えば、クマのプーさんやらテディベアにダッフィーにシェリーなどなど人気のぬいぐるみは圧倒的にクマなのに。私のダッフィーは、相変わらず何時もと同じきょとんとした目でカワイイ。随分脱線してしまいましたが、日本初の女性総理誕生やら株高騰に金相場高騰と激動の時期に平穏に過ごした10月の様子を手短に書き記したいと思います。

2025年11月2日(sun)開催 場所:鎌倉由比ガ浜海浜公園

11月2日に電気を使わない野外音楽祭「鎌倉プチロックフェスティバルautumn」が開催される。鎌倉由比ガ浜海浜公園に五つのステージを設置して毎年、年2回開催している。2014年にはじまった鎌倉プチロックフェスティバルも既に多くの方々に認知されて老若男女に小さなお子さんそして犬まで参加のフェスティバルは、年々大盛況に成長しました。これは、ひとえに開催スタッフ達の真摯な取り組みと入念な準備が実を結んでいる事は、ずっとスポンサーをしている弊社には良く解る。その取り組みの姿勢には、本当に頭が下がる思いです。そして前回同様今回も2台のピアノを運び込んでの開催になります。弊社倉庫で保管しているプチロック所有のピアノは、今回もフェスティバルに合わせて入念に調整と調律します。海の真ん前なので湿気に塩害とピアノにとっては最悪の条件。さらに加えてお天気の都合で雨が降り出すことも考えて入念にピアノも準備をして搬入搬出をします。もう一台は、今回はちょっと背の低いピアノを用意してみようと考えてこれから準備に入ります。入場無料で朝10時から夕方まで開催しておりますので鎌倉散策のついでに皆様是非お立ち寄りください。宜しくお願い申し上げます。

フレンジコードを綺麗に取り外した所。

フレンジコード(白いひも)を88本取付完了。

10月入ってすぐにこのホームページを見てメールで調律の依頼を受けました。鎌倉からは、ちょっと遠いのですがお伺いすると2階の子供部屋にピアノがあって依頼者が子供だった頃のそのままの状態で部屋ごと保存されていた。ピアノは、YAMAHA U3H。外装は傷が少なく結構綺麗な状態。ピアノを弾かなくなってかなりの年月が経ちますと仰る通り35年調律がされずに物凄く音が下がって狂っている。YAMAHA-U3H製造番号を見てバットフレンジコードが経年変化で劣化して切れるというピアノ調律師ならば皆想像する故障は、見事に的中でブチブチに切れていた。とりあえずピッチの下がったピアノの調律に取り掛かる。まぁ~YAMAHAのピアノは本当に良く出来ていてチャンチャンと何ら問題なく調律が終えた。チャンチャンといっても2時間ちょっとは掛かっているが綺麗な音になってお客様も「こんな綺麗な澄んだ音がするんですね~」と驚いていらっしゃった。ただ35年ぶりの調律で機械の動きも悪い所があったのでアクション(機械)を取り外してフレンジコードが切れいている所をお見せすると「あ~ら、これは長年調律をしなかったからこうなったんでしょうか?」と聞かれたので「いいえ、この時代のYAMAHAのピアノは全部切れちゃうんですよ!」「えっ!そうなんですか?」とちょっと腑に落ちない顔をされたので「当時は、YAMAHAも良かれと思ってこの素材を使用したのですが10年20年30年と古くなると劣化が始まってこのように切れちゃうんですよ。それは年数からして色々と交換が必要になる部品も出てきます。」とお話をして部品の役割を詳しく説明をして交換作業の必要性を理解して頂きました。すると話は早くて「姪っ子が使うんですが直ぐにやって頂けます?」と早急に仕上げてとご依頼を頂きその場でアクション(中身だけ)を引き取り翌日修理をして夕方にお届けと云った強行軍で無事作業を終えた。お客様は「こんなに綺麗な音になって修理もあっという間に仕上がってお願いして良かったわ~!さすがブログに書いてあった通り凄腕ですね~!」と言われたので「ありがとうございます。修理の方は、丁度作業場が空いていたのでタイミングが良かったですね。喜んで頂けてお役に立てて良かったです。」とお互いにっこりと笑って「今後ともよろしくお願いします。」と言われ「こちらこそよろしくお願いします。それからブログには凄腕とは一度も書いた事は無いんですけど(笑)」というと「あら!そうでしたかしら、でもあの長い文章を色々読んでるとそうだと分かりますよ(笑)。でも、思い切ってお願いして良かったです。」「あの長いマニアックな文章がその気にさせてしまったんですね。ありがとうございます。」と言って有頂天になって帰路に着いた。

鍵盤の高さ深さの調整

消音装置を取り付け完了。

そして10月の半ば過ぎ、に電話がなって「アップライトピアノですが買い替えを検討しているので御社のピアノを見せてほしいんですが?」と問い合わせを頂いた。弊社は、横浜に倉庫があり場所の公開をしていないので事情をよくよく聞いて日程を決めて弊社にお越しいただいた。既に使用しているピアノがあって先生宅のグランドピアノでは弾ける曲が自宅のピアノでは上手く演奏できないので困っている。なおテクニクスの消音装置は付いているがだんだん調子が悪くなって音の出ない所がいくつか出て来たとの事。丁度仕上がっているピアノが5台あるのでそれぞれ弾いて頂いた。結構上手に演奏されて音の好みなどもご自身でちゃんと理解されていた。今時のピアノの華やかな音は、ちょっとうるさい感じと感じる様でふくよかで静かに延びる音の方が好まれる様でした。5台を2時間くらいかけて弾いて、「今まで自宅で弾けなかった所もこちらのピアノではちゃんと弾けます。」と仰って一番気に入った納得のピアノに決まりました。そのピアノにも消音装置を取り付けるのですが、先生宅のグランドで弾けてご自宅のピアノで上手く弾けないと仰られたので新しい消音装置は、完璧に取り付け精度を高める必要があります。既に仕上がっているピアノですがもう一度細心の注意を払って出荷調整から見直して消音装置は、まるまる一日掛けて取り付けた。消音装置は、電化製品ですから時代と共にどんどん進化していく。ただ、どんなに進化しても元のピアノの状態が良くないと良い結果が出ないのが消音装置です。即ち取り付けした人によって大きく性能が変わるのが後付け消音装置です。何事も基礎が大事とは、ピアノに限った事ではありませんが、ことさらピアノは、そこを疎かにすると決して良い音を奏でてはくれません。いくつになっても面倒臭がらずに丁寧に根気よくピアノと対話する事が求められます。また、それが楽しいと思えると少し一人前になって来たかな?と自己満足してちょっと有頂天になります(笑)。2025年10月は、色んな出会いや出来事がありましたがとっても気持ちの良い秋を過ごせている。

2025年9月の様子!

2025年9月も残りわずか。命の危険を感じる様な暑さもお彼岸に入った途端、朝晩の気温が下がった。暑さ寒さも彼岸までと昔の人の言い伝えに改めて本当だなと感心する。この9月は、プライベートで大忙しの中、色んな役職の当番や秋の芸術に向けての打ち合わせなど重なって大忙しだったので今回は、手短に9月の様子を書き記したいと思います。

この赤いフェルトも昭和のなごりかな?

ピアノ調律の仕事をしていると、当然ですが毎月新たなお客様との出会いに恵まれる。お客様の紹介だったりホームページを読んでの申し込みだったりピアノの先生の紹介だったりと誠にありがたい話です。また、新たな出会いの数だけ新たなピアノに出会う訳ですからこれが中々面白い。今月9月もご紹介で長年放置したまま使っていないピアノの調律の依頼を受けた。社会人になってまたピアノを習い始めたので子供の頃に使っていたピアノをちゃんと調律したいとの事でした。ここでは、お客様の承諾を得てませんのでメーカー名やブランド名は伏せておきますが、昭和59年製造のピアノで生産台数や規模で中堅よりちょっと下のメーカー、中部関西で多店舗展開していた大手販売店からオーダーで製造されたピアノでした。お客様に聞くとご両親の転勤で関西在住の時にピアノを購入したそうです。その頃は、今と違って子供の数が多いのでピアノもまだまだ売れていた頃で業界的に多少陰りが見えて来たと云えども一月60台以上売っていた販売店を数店知っている。今では考えられない時代というか今考えると子供が居れば皆ピアノと言うのはおかしな時代だったとも言える。そんな時代に生まれたピアノとは、大方30数メーカーがしのぎを削って300以上のブランドを生産していた訳ですから色んなピアノがあって私も知らないピアノが沢山ある訳です。ですから未だに新たなピアノに出会う事が楽しみと言うか調律師として面白い訳です。今回は、そこそこ知れた販売台数的に中堅よりちょっと下のメーカーのピアノで私も数台このメーカーのピアノは管理した事がありましたが、腑に落ちないちょっとした違いを見つけてクスッと笑えてしまった。低音弦のフェルトですが通常共鳴を抑えるためにフェルトで止音するのですが、規格に合わないフェルトが貼られていて止音の役を全く果たしていない。製造時や出荷調律に分かるのに・・・これも当時の事情を知る我々には理解出来る悩ましい事情です。まぁ~色んな意味でピアノは奥深く興味深いなとこのピアノを調律しながら昭和の楽器業界花盛りの時代に気持ちはタイムスリップした。

鍵盤漂白が終えた所

作業に没頭するとついつい写真撮影を忘れてしまう。

綺麗になった鍵盤。

先だって日本ピアノ調律師協会の研修会が開かれた折に大先輩の講師の方がコンサート調律よりも一般家庭の調律の方が色んな意味で難しいかもしれないと語っていた。これは、熟練の技術と沢山の経験を持ち合わせた技術者しか語れない領域ですが、言わんとする意味が良く解る。コンサート調律でピアニストの要求に即座に応えるという事は生半可な技術ではお役に立てない事は皆様もご承知の事と存じますが一般家庭のピアノは、通常一年に一回の調律。春夏秋冬温度湿度の変化に冷暖房に対応して一年間弾き手に違和感なく使って頂く。即ち一年持たせる調律というのは、意外に技術が要求される仕事なのです。そんな折に今年初めて色んな方と事情があって紹介でお伺いしたピアノの先生宅での事です。半年前に調律したにしては音が狂っていて何より機械部分のホコリが凄くて一度も掃除をされた形跡というかアクションを引き出した事がないのかな?と思える状態。掃除機を借りて延々掃除掃除でようやく綺麗になった物のハンマーの消耗が凄く鍵盤ブッシングクロスも摩耗してちょっと可哀そうな状態。摩耗部分は、改めて作業する事にしてとりあえず最善を尽くして調律調整をして作業を終え先生に確認して頂くと触った瞬間に「あ~全然違う!今までの調律師さんは調律だけする人だったのね!こんなに変わるんだ~!」と大喜びされた。その様子を眺めているととっても感性が敏感で調律がうんぬんより先生自身が上手で綺麗な音を奏でていた。その後、2か月経つか経たないかに携帯に先生から電話が入る。「この前調律に来た時にShigeruKawaiの在庫があると仰っていたけどそれが気になって気になって一度弾きに行って良いですか?」との電話で2台ピアノを並べて2台ピアノのレッスンをしたいとの事でした。このホームページにも記事にしましたが昨年入庫したピアノです。その後、このホームページを見て数人からお問い合わせ頂きましたがお住まいが地方のかたや関東でもちょっと遠い方で大変失礼ながら電話でお断りさせて頂きました。このピアノは、お届けした後も私が管理出来てこの人に使って頂きたいと思う人にお譲りするピアノです。先週、弊社の倉庫に弾きにいらして大層気に入られて私も是非この方に使って頂きたいと思い願ったのでお届けする事が決まりました。弊社は、お届けが決まるとピアノの最終調整に何日も掛けます。最近のグランドピアノは鍵盤が人口象牙になっているので弊社では、お届けする前に漂白研磨して綺麗に仕上げる作業から始めます。それから別れを惜しんで丁寧に細部に渡り調整を繰り返し、全てを完璧に手抜かりなくまるで娘を嫁がせる親の心境。気に入った方に嫁ぐのだから嬉しくもあり寂しくもありだが今度は、大切に沢山弾いて頂けるのでピアノにとっては何よりうれしい事です。今回も良い方とのご縁に恵まれてこれからは、メンテナンスで長いつながりが始まります。私も随分歳を重ねてしまいましたが健康で長生きしなくちゃと調律師として新たな気概が生まれた気がします。良い人たちに恵まれてピアノに囲まれて感謝感謝。