「#ピアノ調律鎌倉」タグアーカイブ

思い出のLESTER PIANO

2023年4月、ようやくコロナ騒動も落ち着いて来て観光地鎌倉は、外国人観光客が一気に増えた。コロナの最中でも鎌倉小町通は、人で溢れていたが、どこもかしこも人人人!桜も綺麗で天気も良いとなれば出かけたくなる。賑わうって経済も何もかもが活気づくから気分が晴れる。どうかこのままずっと普段通りになってと心から願うばかりです。今回は、そんな春の近況をさらりと書き記したいと思います。

昨年12月に突発性難聴で入院をしたと記事にしましたが、どうにも今年になって調子が出ない。耳は、何ともないのですが異常な肩こりと首痛に体力の低下。とうとう3月後半は、ほとんど寝込んでしまった。昨年の秋辺りからの忙しさに加え年度末に向けての追い込み仕事などちょっと忙し過ぎたのだろうと多寡をくくっていたのですがどうにも調子が悪いので主治医の先生に経過を説明して診て頂いた。すると直ぐに胃カメラ検査の指示。そこで小さな潰瘍が見つかり原因が判明して処置して頂いた。どうやら入院時のステロイドの副作用で胃に小さな潰瘍が出来てそこから出血していた模様。その潰瘍は、1センチにも満たない物でしたが老人と言えどもまだまだ元気はつらつのおやじの気力体力を奪う程とは、ただただ驚きであった。思えば20数年前に尿管結石になった時もたった1.5ミリ程度の結石が大の大人を何日も何日も七転八倒させた訳ですから人間て痛みで気力体力がてき面に奪われるんだなぁ~とつくづく感じ入る。私の場合は、信頼できる主治医に巡り会えている事に心より感謝してこれからも先生を頼りに病院と仲良く健康で長生きしたいと心から願う。

そんな年度末に初めての私立学校からのピアノ調律依頼があった。年式の古いグランドピアノ2台の調律依頼だった。どちらも定期的に調律がされているが何とも今一つピンとこない音、かといって大きな問題がある訳では無い。まぁ~いつもの様にボランティアで出来るだけの事はやってあげちゃおうと奮起した。調律は、古い弦なので渋滞が酷くて苦労するが問題は、整調と整音。過去毎年調律されて弦合わせなどもきちんとされているのにその先の調整が一切されていなかった。時間が無かったのかな?と思うのだが跡形をみるとかなり長い期間この狂った調整のままで使用されて居た事が分かる。「よしよし、調子が悪かっただろうに!おじさんが治してあげましょうね~!」と話しかけて作業に取り掛かった。4時間以上の長丁場だったがあの古いピアノが良い音に蘇った。「どうよ、良い感じになっだろう!」と話し掛けると少し胸を張って堂々としてる様に見えた(笑)!

次の音楽室のピアノは、YAMAHAのS400Bだった。いや~さすが私立学校、こんな高級ピアノが入っているんだ!とちょっと驚いた。このピアノは、YAMAHAのサロンピアノとして贅を尽くした名器で兎に角良いピアノ。丁度同じころにKAWAIは、RXAというサロンピアノの名器を世に出している。楽器業界がまだまだ元気の良い頃でバブル時代の高級路線とでも言いましょうかどちらもあの当時400万円弱のこの2台のピアノに出会うと調律師は、訳も無くただただ嬉しい。すぐさま、音を出すと良い音はしている物のパワーはあるがキンキンしてうるさい。「いや~可愛そうにもっと福与かに音が伸びたらいいのになぁ~!しょうがないからおじさんが良い音にしてあげましょう!」と話しかけて作業に取り掛かった。と言っても元々素性の良いピアノだから調律はチャンチャンと直ぐに終えて整調・整音に多くの時間を割いた。ハンマーに針を刺すとその感触からして良いハンマーだなぁ~と分かる。今では、こんな良いハンマー作れないのかなぁ~とその感触を存分に楽しみながら徐々に音を仕上げて行った。ピアノが仕上がった所で音楽専科の先生に弾いて貰うと触った瞬間に驚いた顔をして「良いですね~!別のピアノになったみたい!」とピアノが良くなった事を直ぐに理解してもらえた。一日がかりの仕事だったがこの高級ピアノで授業を受けられる生徒達は幸せだなぁ~と私立学校の設備の充実さに感心しながら思い通りに仕上がった仕事に自己満足して上機嫌で帰路に着いたが肩と首の激痛は、増すばかりだった。

昨年より修理依頼を受けていたLESTERピアノ。本来ならば昨年末にお届け予定だったのですが入院騒ぎなどで今年に持ち越してしまった。初期の全館空調で過乾燥の為ピン板は割れて、響板も割れて調律が出来ない状態。以前の調律師が太いチューニングピンに数本交換していたがそのピンも留められない状態でとても弾ける代物では無かった。ピアノの状態と修理費用を鑑みて弊社での請負を一度はお断りしたがお客様は、「どうしても愛着のあるピアノを諦めきれない」と改めて修理のご依頼を受けたのが昨年の6月あたり。ピン板交換に響板木工修理に弦ピン交換に始まり外装の全塗装まで一台まるまる作り直し状態でかなりの時間を要した。象牙鍵盤は、黄色く黄ばんでいるので白く漂白したり劣化した部品は、全て新品に交換したりと細々した作業が昨年より続いていた。ちょっと専門的になるがこのピアノは、バットフレンジのブッシングクロスがナイロンみたいなプラスチックみたいな緑色の新素材になっています。一時期ニューヨークスタンウェイ社が形は違いますがテフロンを短期間使用していました。色々と問題があって今は全く見かけなくなりましたがこのピアノは、スタンウェイ社の物とは物も形状も全く別物なれど発想が同じなのかもしれません。ただかなりの数にガタがあってセンターピンを交換してたりして悪戦苦闘しながら全ての作業を完璧に終えた。椅子は、昔から使っている思い出の傷が詰まったトムソン椅子。お客様は、それを使いたいと仰るのでそのままお届けする事にしたがピアノは、誰が見ても新品の状態なのに椅子だけ傷だらけというのは、私的にどうにも気が済まない。お客様のお気持ちも理解出来るがピカピカのピアノにボロボロ(ちょっと失礼だが)の椅子じゃ~と内緒で新品の角椅子をお付けする事にした。お客様は「ピアノにはピカピカの新しい椅子を使います。古いトムソン椅子は、チェロを弾く用に使います(笑)。」と全てに満足して頂いた様子に安堵した。何より弦も何もかもが新品になっているのでこれからが長いお付き合いになります。私も信頼のできるピアノの主治医の様な存在に成れます様に更なる努力をしてまいります。もちろん健康に十分留意しながらですね(笑)!

 

 

鎌倉プチロックフェスティバルVol.8

慌ただしく時が過ぎて2022年も残すところ2カ月を切ってしまった。今年の秋は、天気に恵まれて紅葉もとっても綺麗に染まって近年では珍しく存分に秋を楽しめてる。大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の影響か?コロナが一段落なのか?分かりませんが鎌倉の賑わいたるものは物凄くて活気に満ち溢れている。そんな中、3年ぶりに開催された「鎌倉プチロックフェスティバル」の事を今回は、記事にしたいと思います。

10月23日(日)3年ぶりに「鎌倉プチロックフェスティバルVol.8」が開催された。電気を使わないアコースティクの音楽のお祭り。会場は、由比ガ浜の海浜公園で入場無料。朝から夕方まで沢山のミュージシャンが出演する。弊社も縁があってスポンサードしている。そしてそこで使われるピアノの事を全て担当をしている。3年前まで会場で使うピアノは、フェスティバルの趣旨に賛同してくださるご近所の方が使っていないピアノを提供してくださっていました。私がフェスティバルの数日前にそのお宅にお伺いして半日掛けてピアノの調律・調整をして準備を整えて、当日早朝にピアノの運送屋さんがピアノを取りに行って9時に海浜公園に設置。直ぐに、本番に向けての調律を始めるといった具合でした。しかし当日の天候次第では、中止もあり得るので当日は気が気じゃありません。過去に一度、当日中止になった事がありました。自然相手ですから致し方ないとしても海岸の吹きっさらしの公園に湿気に弱いアコースティク楽器のオンパレードですから主催者は毎度、胃がキリキリする思いでしょう。何より大勢のスタッフが数カ月前から入念に準備に準備を重ねたフェスティバルがお天道様のご機嫌次第で全て水の泡になるのですから私も毎回気が気ではありません。

2022年7月8日にフェスティバルのピアノが入庫した。

埃だらけで外装や鍵盤が汚いが手を入れれば大丈夫良いピアノ

今年の6月に主催するNPO法人Greens&Bluesの代表の方から電話が入った「お世話様です。ようやく今年10月23日に開催するつもりで動いていますのでよろしくお願いします。今回は、いつもの方のピアノでは無く自分たちのピアノを用意しようと思うんですが保管場所がガレージなんですよ・・大丈夫でしょうか?」「ガレージって車庫ですか?湿気とかはどうなんですか?」と聞くと「そうですよね~物置にしている車庫なんですよね~!」といった具合の返答。直ぐに調律師が想像するのが虫食い被害とネズミの被害、湿気によるトラブルとカビ・ホコリ、どう考えても良い要素は何一つ無いので私は「弊社の商品倉庫で預かりましょうか?そうすれば、あらかじめピアノの調整も空いた時間に出来るし何より安心でしょ!」と言って7月早々に弊社の商品倉庫に入庫した。YAMAHAのアップライトピアノで131cmの高さの大型タイプ。早速ピアノをチェックすると長年調律されていないが今までのピアノより随分年式が浅く調整さえすればかなりいい音になるだろうと確認できた。早速、ざっとピッチを上げる調律をするとピン味(チューニングピンの動き)も良くなかなか良いピアノ。調律をどんどん進めていくと見る見るうちにピアノが蘇りはじめた。「お~良いじゃん良いじゃん!」と独り言を発しながらざっと調律を終えてホコリを払ってざっと外装を磨いて「後は、暇な時にちょこちょこと調整してあげるからねぇ~。」と言ってカバーをかぶせて保管した。

手を入れる度にどんどん蘇る。

8月9月とぼやぼや忙しくしていると10月の第二週に入った。「あか~ん!来週末、鎌倉プチロックフェスティバルじゃん!ピアノ調整しなきゃ!」慌てて10月12日の夕方からピアノの調整に入った。まずカバーを取ってさらっと弾いてみると「お~良いじゃん良い音してるじゃん!」これは、引き取った時に調律を済ませていたのでかなり安定している。折角良いピアノだからハンマーをファイリングしてざっと調律するか~!と気合を入れて作業に取り掛かった。さほど使い込んだピアノでは無いのでファイリングもあっという間に終えてとりあえず調律の下律に取り掛かった。ピッチA442Hzにする為にチャチャチャと短時間で張力を安定させると同時にアクションの様子を探りながら下律を終える。整調は、当たり前だがかなり狂ってるし鍵盤の動きが悪すぎる。これらの作業は、全くのボランティア作業になるが調整すればもっともっと弾きやすく良い音が鳴るピアノを前に何もしない選択は、ありませんでした。当日のミュージシャン達に気持ち良く弾いて頂いて3年ぶりのフェスティバルが大成功に収まるように頑張ろうと思ったが当日ピアノを演奏するミュージシャン達を良く知らないので唯一の知り合いである若くて綺麗なJAZZピアニストVakeneco(田近香子)さんが気持ちよく弾けるようにとターゲットを絞って調整する事にした。会場の海浜公園は、野外で元々地面が砂地なので高い音が吸収されて全く響かない。今回は、特別にボリュームがあって高音が鳴るようにそして音が遠くに飛ぶ様に特別な整音と調整を施した。Vakenecoさんが弾きやすく鍵盤の抵抗を取るためにフロント・バランスピン合計176本のピンを磨き上げて更に鍵盤調整して整調を整えた。最終調律をして万全の準備を終えたのが出荷日の前日の夜だった。このピアノが入庫した時に「暇な時にちょこちょこ調整してあげるからねぇ~」とピアノと約束した事を思い出して慌てて「ずっと放りぱなしでごめんね。でも、間に合ったからね、まぁ~許せ!(笑)」と言ってピアノを撫でながら許しを乞うた。

晴天の中、調律を終えたピアノ

 

屋台の準備も着々と進んでいる。

幸いな事に天気予報は、晴れの予報。前日の22日土曜日に弊社倉庫から無事ピアノを出荷した。翌朝23日9時に海浜公園に設置して早速ピアノ調律を始めると今までと違ってかなり大きな音が公園中に鳴り響いて高音も綺麗に遠くに飛んで行く。「良い感じだ~!」と心でつぶやいて気持ちよく調律を進めた。早朝の公園では、着々とフェスティバルの準備が進められて主催のスタッフ達がキビキビと仕事をこなしている様子が見て取れて気持ちがいい。出店の人達も忙しそうに楽しそうに準備を進めている。気が付くと犬の散歩人やサーファー達が足を止めてしばしピアノの調律を眺めて行かれる。晴天に恵まれて何とものどかで気持ちの良い調律を存分に楽しんで準備を終えた。当日のフェスティバルは、大盛況で大盛り上がり。その様子はYouTubeの配信https://youtu.be/BF2R2Sfd794にてご覧ください。コロナ騒動に円安に加え物価の高騰に弾道ミサイル連発とウクライナ侵攻とどれを取っても何一つ収まりの兆しさえ見いだせない不安定な時代。個人的にロシア問題は、深刻で昨年より発注しているロシアの美人ピアニストのCD。日本では、売っていないCDのBOX。入荷は、絶望だぁ~!あ~どうか一日も早く安寧な日が訪れます様にと願うばかりの2022年11月でした。