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スタンウェイのアグラフ折れました!

2023年気持ち新たにスタートしたと思ったらもう2月。昨年12月の入院騒ぎで益々スケジュールの遅れが生じて御ひいきのお客様には、大変ご迷惑をお掛けしております。未だ完全には解消できておりませんが徐々に解消して来ておりますのでもうしばらくお待ちくださいます様お願い申し上げます。なお緊急の不具合などご連絡を頂けますと最優先で対処しておりますので遠慮なくご連絡くださいます様お願い申し上げます。今回は、そんな緊急のお仕事など最近の様子を記事にしたいと思います。

音楽教室のグランドピアノ 

新年、最初のお仕事は学校調律でした。昨年の10月位からの予約で学校が始まると同時に2日に分けての作業。1月から3月末の年度末まで続く学校調律は、体育館から音楽室に視聴覚教室などと13㎏の調律鞄を持って歩き回るのだから結構疲れる。学校って広いなぁ~と改めて思うのと同時に先生方、体力付くだろうなぁ~なんて思いながら作業に取り組むが何はともあれこの時期の学校は、寒い!これから2月3月と思いやられる!

体育館のグランドピアノは、湿気を吸い込んでいる。

横浜市立の学校は、どこも神奈川県立の学校と比べてピアノが圧倒的に新しくて素晴らしく良い。これが学校のピアノ?と思えるくらい良いピアノが入っている。同じ神奈川県なのに財布が違うとこんなに違うのかと唖然とさせられる。ただ、そんな良いピアノが入っていても過酷な環境の学校ピアノでは、調律が適切で無かったり十分な作業が施されていなかったりするとさっぱり良い音がしない。それを敏感に感じる音楽専科の先生方が不満に感じるのは、当然の事です。学校調律の問題点をここでは、あえて書きませんが以前の記事を読んで頂けると大方の事がご理解頂けると思います。ただピアノ調律師がしっかりと仕事をすれば何ら問題は無い訳です。しかし学校調律を単なる収益先として捉えれば最低限以下の仕事しか出来ないと云うのは現状でしょう。私は、日本人誰しもがお世話になって来た学校であるからにして恩返しのつもりで誠心誠意学校のピアノに向き合い社会人としてボランティア精神で作業に取り組まなければならないと考えています。ただ、めちゃめちゃ寒いんだ体育館!

ネジがぽっきり折れたアグラフ 3つの穴の中にそれぞれ弦が通る。

初めてのお客様から電話が鳴った「もしもし、初めまして○○に住む○○と申します。実は、スタンウェイのグランドピアノを持って居るのですがアグラフが折れてしまったので修理をお願い出来ますか?」と「はい!出来ますよ。」と言うとすぐさま「え~良かった!色んな所にお願いしたのですが全部断られて御社が4件目です。」と言われた。「アグラフが折れたんですよねぇ?」と不安になって聞き返すと「3本張りのアグラフです。調律師の方にいらして頂いてこれは、鎌倉ピアノ芸術社さんにお願いしてみてくださいと言われましたのでお電話差し上げました。」との事でした。その調律師さんを私は存じ上げませんでしたが、さすが同業者、弊社にどう伝えたら良いかか親切丁寧に分かりやすくお客様に伝えて頂いて居たので直ぐに部品を取り寄せてお伺いする事が出来た。

アグラフ交換した所だけ金ぴかに輝いでいる。

かなり使い込んでいるスタンウェイ。

グランドピアノのアグラフが折れる事は、珍しい事では無いのですがそうそう頻繁にある事でもありませんので調律師が全員交換の経験がある訳でないようです。また、それなりの工具も必要となる上に今回の様な交差弦のアグラフ交換は、一番厄介で何より面倒である。私は、何度も交換経験があるのでそれなり、いやそれ以上の工具を持っている。何時もの様にチャンチャンと折れたネジを取り除いたら終始その様子を横で見ていたお客様は、思わず「お~取れた(笑)!」と思わず声があがって笑いあった。新しいアグラフは、ぴったり方向が合うまで幾つか付けては外しを繰り返してようやくぴったり合った。お客様は、その様子を見ながらとっても嬉しそうにニコニコされていた。3本の弦を外しては、はめるの作業は、それなりに時間が掛かる。ようやく出来上がると交換されたアグラフだけがピカピカと輝いてその存在をアピールしている。それから調律に入りピアノを安定させて作業終了!かなり狂ったピアノの調律を合わせると3時間ちょっと掛かった。お客様には、綺麗に仕上がったピアノの音色にととっても満足してい頂いた。その後、美味しそうなお茶菓子を出して頂いてしばし色んな雑談に花が咲いて夕食の時間を大幅に過ぎた所でお土産まで頂いてお客様宅を後にした。新たな出会いに感謝をして都内の大渋滞へ車を走らせ帰路についた。

ベーゼンドルファーのダンパー部

昨年暮れにお伺いするはずのお客様。ご主人様は、声楽家で奥様は、ピアニスト。ピアノは、ベーゼンドルファー。ここ数年、湿気と乾燥の影響でダンパーの戻りが悪くなって来てその場しのぎの対処でごまかしていたのですが、その数がかなり多くなって音が止まらなくなって来たのでそろそろ根本的に修理をしなければと。ただその作業は結構いや かなり いや相当大変で調律師誰しもが一番やりたくない作業の一つだと私は思う。それに時間も掛かる。そこで12月のレッスンが全て終わった後の年末に半日空けて貰ってダンパー修理と調律にお伺いする予定にしていたのだが私の入院で年を越してしまった。今年になって新たに先生に予定を空けて貰った。昨年既に覚悟を決めていたので新年になろうともその覚悟は変わらず気合を入れていや、ご迷惑をお掛けした分更に気合が入って作業に取り掛かった。ダンパーアッセンブリーを取り外すといってもダンパーを全て外す訳ですから終わったら取り付けてダンパーの走りからダンパーの掛かり、総上げと総下げにソステヌートの調整。結局ダンパーに手を付けると全てをやり直す事になる。それに加えてヤマハ・河合のダンパーアセンブリーを外すのは、大変ではありませんが、ベーゼンドルファーは、ちょっと面倒臭い。言い方を変えるとかなり頑丈に取り付けてある(笑)。当然、取り付けも大変。正直な所、ヤマハ・カワイピアノのダンパーの取り回しは、とっても扱いやすいとつくづく感じる。スタンウェイの場合は、ビス止めじゃなく接着されていて物凄く厄介は時代のピアノもあるし元々ダンパーアセンブリーの構造が少し違う。これは、SHIGERUKAWAIも同じくでスタンウェイのをパクったのかな?なんて無責任に書いちゃうと叱られそうだが、いずれにせよとっても調整が難しい部分であることには間違いない。先生のベーゼンドルファーは、取り外すと大半がスティック状態で相当数のセンターピンを交換する事になった。また、ダンパーワイヤーの滑りが悪いので当然ワイヤーを磨いて取り付けて調整をしてそれから調律をして昼から夕食時間過ぎまで掛かった。この作業も調律師全員がやった事があるという訳では無いであろう。ピアノ全盛期の時は、調律師の仕事は、調律だけする人、修理する人、販売する人と分業制。と言うかピアノが沢山売れていて調律師が少なくて調律が間に合わなかった為に自ずと分業になってしまった。今は、もう違います。調律も修理も調律師はピアノの事何でも出来なければなりません。ご自身で修理して調整して手塩にかけて仕上げたピアノは、大切に使ってくれるお客様に買って頂いてそのピアノをずっと調律したい。古い人間だとお思いでしょうがそれが調律師のあるべき姿、調律師の仕事だと私は考えます。

 

 

 

2023年 新年のご挨拶

謹んで新年のお慶びを申し上げます。旧年中は、格別のお引立てを賜り、厚く御礼を申し上げます。本年も更なるサービスの向上と技術の向上に努めて参りますので、より一層のご支援、お引立てを賜りますようお願い申し上げます。皆様のご健康とお多幸をお祈りし新年のご挨拶とさせて頂きます。本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

                  鎌倉ピアノ芸術社

                 代表取締役 梅根 恒紀

12月に突発性難聴で入院

2022年12月も残すところ後2日。年を重ねると一年が早い早い。思えば2022年1月早々に関東地方にも雪が積もったその時に弊社のサーバーが漏電でパソコン共々内部のハードディスクが破損。大切なお客様のデーターが台無しになってしまった。高額を支払って業者にデーター復旧依頼もしたが全て無駄だった。この件に関してはもちろんバックアップをしたりと万全の対策をしていたが対策をしていたつもりになってしまっていて、いざトラブルが発生するとその対策の甘さが致命的な事態を招いてしまった。残念としか言いようがない新年のスタートになってしまったが音楽業界もようやく通常活動に戻って忙しくなってきた所にロシアのウクライナ侵攻や急激な円安と不安を煽る出来事が相次いだが一度通常に戻ってしまうと勢いがあってどんどん仕事が増えてピアノも売れてとかなり忙しくなっていた。ここ12月に入って更に忙しさが増した所にどうやら疲れが溜まってしまった様で突然突発性難聴を発症して緊急入院してしまった。ただでさえスケジュールが遅れに遅れているのに12月は、仕事をこなすこともままならずに大変ご迷惑をお掛けしております。また、創業以来毎年欠かさず元旦にお届けする年賀状の準備も出来ずに今回は、データー破損の問題もありまして初めて年賀状を失礼する事になってしまいました。皆様、いつも弊社を御ひいきにして頂いて誠にありがとうございます。弊社は、例年通りにピアノを通じて皆様と音楽業務に徹して活動を邁進しております。12月の入院騒ぎで皆様には、大変ご迷惑をお掛けしました事、大変心苦しく思っております。どうぞ来年も今までと変わらずによろしくお願いを申し上げる次第でございます。今回は、そんな入院のお話を記事にしたいと思います。

天井が高くて残響音が長い円形の会場

ステージが広くてピアノの位置決めが難しい会場

12月13日の夜。突然かなり大きな音で耳鳴りがしだした。何時もの様に自分流の処置をしたがちょっと様子が違う強烈な耳鳴りに不安を感じて殆ど眠れずに朝を迎えた。朝になっても耳鳴りの音は、まったく変わっていなかったのでスケジュールを全てキャンセルして耳鼻咽喉科に行く。診察をして聴力検査などをして先生から「耳を使うお仕事をされているので直ぐに入院をして治療をした方が良いと思います。今日、明日に入院出来ますか?」と聞かれて「明日は、コンサートの仕事がありますので明後日ならいや来週からなら」というと「早い方が良いので明後日に入院で紹介状を書きますので今からその病院に行って手続きをしてください」と言われて急ぎ病院に向かった。そこで新たに診察を受けると「いわゆる突発性難聴といわれるもので原因は、血流が悪くなって起きるとかストレス・睡眠不足色々言われますがちゃんと原因が分かっている訳ではありません。ただステロイドがとっても効果があるという事が分かっています。右の耳の聴力が全般に下がっているので入院して治療をします。高ステロイドとお薬を点滴で入れて様子を見ながら脳の検査もして10日くらいの入院になりますから退院は、12月25日ですね。如何でしょうか?」と綺麗な女医さんに言われたので「どうぞよろしくお願いします。」と全てをお任せする事にした。「今日明日分の薬を処方しておきます。」と言って診察を終えたがそれから入院の手続きに説明やら色々とやたらと時間のかかる事が多くて私の場合は、耳鳴りはしているが体はいたって健康なのでまぁ~良いがこれ具合の悪い人は、この時間で病状悪化するなぁ~とか考えながら時間を費やして綺麗な女医さんにも診て貰ってとっても気分が良いのか入院を覚悟した安堵感か耳鳴りの音がすこし小さくなって来た様な気がした。

鍵盤の小口を全てはぎ取った所

入院前に全てのブッシングクロスと小口を貼り終えて安心した所。

退院の翌日に総仕上げをして完成。後は梱包してお届け。

翌日、朝起きるとほぼ耳鳴りは収まっていた。今日は、随分前から指名で入っていたコンサートの調律。左耳は、まったく問題なく聞こえるので左耳で調律すれば問題ないのですが万一何かあるといけないのでチューナーを持って出かけた。会場は、響きの大きい、残響音の長い天井の高い会場で右耳の具合も問題無く普通に調律が終えた。チューナーを使うとかえって時間が掛かってしまうので普通に短時間で作業が出来る事が確認出来て何より良かった。するとピアニストとクラリネット奏者がやって来て早速、音合わせを始めた。しばらくその音を聞いていたが。とっても良い調律が出来て安心した。急ぎ会社に戻ってお客様からお預かりしている鍵盤修理をある程度やっておかないと年内にお届け出来なくなっちゃう。

体育館は、室温5℃でとっても寒かった。

通常学校のピアノではありえない最高級ピアノ。毎年弊社が手を入れて管理しているので抜群に良い音がする(笑)。

鍵盤のフロント・バランスのブッシングクロスの交換と鍵盤の小口交換の仕事。この修理は、ピアノ調律師の交換修理としては一番多いと思う。現にほぼ毎月この修理をしない月はありませんしこの12月も既に一台修理してお届けしているもっともポピュラーな仕事ですが綺麗に仕上がるとすごく高級なピアノに生まれ変わって弾くと直ぐに判るのでお客様には、とっても喜んで頂ける。鍵盤小口交換もこれは黄色く汚く変色した鍵盤の一部が新品に変わる訳ですから誰でも一目で綺麗になった事が確認できます。入院の前日にこれだけはと思っていた事をやり遂げてなお、耳もほとんど回復しているので入院しなくても良いかなぁ~とも思うのですが、ここは、覚悟を決めて休暇だと思って沢山の本を持ち込んで金曜日から入院した。その日からステロイドの点滴が毎日始まり月曜日に聴力検査をするともうすっかり回復していた。先生は、「もう聴力回復していますね。ただ脳のMRIの検査とステロイドは、徐々に量を減らしていく必要があるので今週の金曜の退院にしましょう。」と早めの退院を素直に喜んだ。入院中は、朝から美味しくないが量は多い食事で苦しんで体は元気なので毎日スクワットを何セットもこなして本を4冊読破した。コロナでお見舞いも一切なく病室のWi-Fiでパソコンは使えるので事務仕事は難なくこなせた。電話で異業種の友人曰く「ここの所、梅根さん仕事詰め込みすぎてるなぁ~と思っていたんですよ。働き過ぎですよ!もうそんなに稼がなくても(笑)!」彼の言葉をそのまま妻に伝えると「だって週休二日にするって言ってたのに全然休みが無いじゃない。働き過ぎなんじゃないの?もう年なんだから無理は効かないって警告ですよ!」とやんわりと叱られた。退院の日から仕事の手配など事務処理を終えて翌日には、あの鍵盤修理を完成させて26日にお届けした。その後、毎年の冬休み学校調律のスタートで年内やれる事は全てやりこなしてどうやら2023年をお迎えする準備を整えました。この一年色んな事がありましたが皆様に支えながら一年を過ごすことが出来ました。また、つたない内容のこの記事も多くの方々に読んで頂きまして心より感謝申し上げます。来年度は更に健康で更なる質の高い仕事を追求する事で皆様の信頼にお応えしてまいります。今後とも鎌倉ピアノ芸術社をよろしくお願い申し上げます。