横浜室内合奏団が英国王立音楽院教授を迎えてクリスマスコンサートを開催いたします。前半が室内管弦楽、後半が喜劇仕立てのミニオペラ。楽団の演奏に合わせて演者が歌い踊り笑いを取るといった肩肘のの張らないコンサート。演奏前に楽団員が曲の紹介や作曲者のエピソードなどクラッシックを判り易く敷居の高さを全く感じない楽しいコンサートです。クラッシックの裾野を広げる地道な活動でファンも多い。弊社もそんな活動に賛同して長い事この楽団のスポンサーをしております。2013/11/30(sat)15:30開場、横浜ユニオン教会、横浜市中区山手町66 で開催です。今回は、鎌倉ピアノ芸術社で毎年調律をされているお客様に先着で10名様にプレゼントいたします。応募は、info@kamakurapiano.jp メールにてお名前・電話番号(ご自宅の電話)を記載の上お申し込み下さい。また、10名に達した時点で締め切りとさせて頂きます。
ピアノは、ずわい蟹よ!
お客様より電気ピアノを譲って頂くので運送と調律をお願いします。と電話が入る???デジタルじゃなくて電気ピアノですか?と問い直すと電気なんですヤマハの。運送の手配と調律の日取りを決めて先日その電気ピアノに会ってまいりました。いやはや、久しぶりの電気ピアノ。僅かに1件だけ管理しているお客様がいますが、今回の電気ピアノは、さらに古くおよそ30数年前のヤマハ電気ピアノです。中身は、まさにピアノ。響板が無く代わりに駒の部分に88鍵分88個のマイクが組み込まれて弦の音をマイク(マグネットのバッキングマイクとか何とか言ってた記憶が?)で拾ってスピーカーより音が出るといった楽器です。タッチは、ピアノと同じ。音は、いかんせん古く調律を随分やっていないのでガタガタ。各所に虫食いの跡があり作業というより掃除に時間が掛かり電気部分の接点復活剤の散布で無事完了しました。この楽器に会うと昔ピアニストとの会話を思い出します。ピアニスト宅の調律が終わりお茶を飲みながら雑談をしていた所に一流メーカーの営業マンがやってきました。3人で話をしていると営業マンが最近は、デジタルピアノが売れて売れて生ピアノが売れないんですよ。ピアニストは、デジタルピアノて言うのは、お幾ら位するの?25万円位しますよ。当時は、10万以下のデジタルは、まだ無い頃の話です。すると先生は、もう少し出すと中古のピアノが買えるじゃない、あなた方の努力不足なんでしょ?とけんもほろろ。営業マンは、先生今は、住宅事情や騒音問題があって大変なんですよ。とそこで私が中古ピアノがダメならばせめて電気ピアノにしたいね、と言うと先生は、小さな子供が弾くのよ3歳から本物の音を聞かせるのが本当の教育よ偽物のピアノで上手くはならないでしょ。とちょっと興奮気味。騒音問題は、上手くなれば騒音じゃないのよ教える方も問題があるのよ!とテンションが上がってくる。営業マンが、でもデジタルピアノは、ピアノと変わらない位良くなっているんですよ。と言うとピアニストの先生は、「あーたねデジタルは、蟹かま よ!どんなに上手く作っても所詮偽物、ピアノは、ずわい蟹!本物よ!」いやいや上手い事言うなぁ~~と関心した所に営業マンが「ずわい ですか?タラバ じゃだめですか?」と軽口を叩くと先生は、冷静に「タラバは、ヤドカリの仲間なのよだから ずわい と言ったのよ。そろそろお帰りになって」と気まずい雰囲気で営業マンが退散。私もそろそろと言うと先生が「あなた、まだお支払してないのよ。お茶を入れ替えるわ」と随分昔の思い出です。
綺麗になって喜んでいるピアノ
ようやくグランドピアノの修理が完了しました。最終調整にかなりの時間を掛けて愛情を注いで蘇りました。レペテイションレバースプリングを全てはずしてきしみ音を取り除き動きもスムースに。ハンマーのテールは、全て加工しなおして、これにてピッタリとハンマーを銜えてくれる。演奏者がスムースに連打や音色のコントロールが出来ます。一つずつ作業を進めて度にピアノが喜んで何だかニコニコして居る様な感じすらします。グランドピアノの整調作業は、中腰作業が続くので腰が痛くなるがどんどん希望の音に近付いてくると、腰の痛みも時間の経つのもついつい忘れてしまう。ぎっくり腰の病み上がりなのに。ダンパー調整からハンマー弦合わせに同時発音など中腰作業が続く。最後に整音作業は、これが一番楽しく一番緊張する作業。慎重に作業を進めなければ今までの作業が全て水の泡となる。ハンマーをいたわりながら思い描く音に仕上げていく作業は、まさしくピアノとの対話です。機嫌を損ねないように愛情を注ぐ。思いよりはるかに煌びやかでふくよかな音を奏でてくれました。外装も中身も綺麗になってピアノが満面の笑みの様だ。持ち主のピアノ講師も蘇ったピアノに満足して頂ける事でしょう。でも、一番満足して満面の笑みなのは、僕なんだろうな!