ピアノ調律師もドクターXに!

新聞に週間視聴率ランキングが毎週掲載されていて以前は、半沢直樹が高視聴率。ここ最近は、ドラマではドクターXが奮闘しているので録画をして観てみる事に。米倉涼子さんが主人公の凄腕外科医・・・医師とは思えぬファッションで大学病院内を引っかき回すが大学内の誰よりも腕が立つ。医局に収まらずに現場主義で腕を上げたという設定らしい。「私失敗しないので」というセリフが決め言葉のスタイル抜群の美人女医さん。我々ピアノ調律師と医師を同じに語るのは、大変おこがましいが、「私失敗しないので」なんて言葉を言える様に我々も精進しなければなりません。お客様よりペダルが効かなくなったのでと電話が入る。丁度近くに仕事に来ていたので直ぐにお伺いする事に。ドアホーンからお客様は、「助かります~」と感謝の言葉を言われるがまだ修理していない。何が原因なのか?というのもこちらのお客様宅のピアノは、アメリカで買ってもって帰ってきたSTORY&CLARKのコンソール。電話では、練習をしているとペキと音がしてペダルが軽くなって効かなくなった・・と。何か部品が破損しているとちょっと厄介だなと思いながら早速見てみるとダンパーペダルの板バネが折れていた。いやはや困ったものです。板バネの形状は、特殊な形状でしかもかなり古いピアノ恐らく部品を調達する事は、難しいだろう。このピアノは、アメリカピアノなどに良く見られる3本ペダルで弱音器が付いていない3本ペダル。即ち真ん中のペダルは、ベースダンパーペダルなのだ。お子様と奥様が熱心に練習しているのでベースダンパーの板バネと付け替えて問題を解決。また破損した場合は、ペダルユニットをコイル式にすべて改造する事になるが、当分の間は、これで大丈夫。お客様も納得して頂き早い対応に喜んで頂けました。今回の板バネを使用するピアノは、古い日本製ピアノにも使用されていた時期もありますが、不思議と日本製板バネが折れた経験は、聞いた事が有りません。日本製の板バネが強度と耐久性といった点で優れていたのでありましょう。しかし、ペダルの踏み始めが固く、古くなるとだんだんと軽くなる、何しろペダル天秤の支点が定まらない点が最大の欠点でこの方式は、随分前から日本では使われなくなりました。最近では、10数年前まで生産していた北朝鮮のPACOピアノが、板バネを採用していました。このピアノは、私共のお客様で所有している方が大勢いらっしゃいます。すでに数えた事が有りませんが14~5件位は、板バネが折れました。当時は、日本にも代理店が有り部品の供給もスムースだったので問題は、有りませんでした。良く練習されてるお宅のピアノに限り折れるのは、まさしく板バネの品質の問題です。しかし、この供給が断たれる事になる・・・小泉政権時代に万景峰号(マンギョンボンゴウ)北朝鮮の船が日本に入港出来なくなり、北朝鮮との貿易に大打撃を受けたと聞き及んでおりますが、その影響でその後、pacoは、ピアノ生産を取り止めたと聞いと聞いております。ピアノは、日本のピアノメーカーの工作機械を使用して製造。製作指導は、日本人が何らかのルートで7年間滞在して指導しました・・・というのも狭い業界で私の良く知る人物が7年指導しました。設計など製作もいたってまともで難点と言えば金属部品、その板バネやネジなどの品質が如何せん悪い。北朝鮮国内の電気の電圧の問題で鍵盤ブッシングクロスの接着が不十分な事。輸入元でその部品を交換しながら国内市場に流していましたが、鍵盤関係は、納品後にお客様宅で調整を全てやり直すといったちょっと手の掛かるピアノ。途端に調律師業界では、悪評が飛び交い触った事のない技術者があれやこれやと中傷を繰り返す始末でした。ピアノの管理は、そのツボさえ押さえていれば全く問題有りませんし良い音のするピアノも数多い。鍵盤調整も慣れて経験を積んでいればさほど時間も掛からずピアノが見違える程良くなる。一流メーカーのピアノやグランドピアノも鍵盤調整をキッチリと行うと明らかに音とタッチが良くなるので普段から面倒臭がらずにやって置くべき作業です。先程、フェイスブックに沖縄の若き調律師、南国ピアノ芸術の社長さんがハンマーファイリング時にシャンクを折ってしまった初めての事だ・・・新品のシャンクに交換とアップしておりました。良いですね~。私は、彼より相当年上なので何本もおりました。グランドのシャンクも私の不注意で何本も折りました。メーカー調律師は、アッセンブリー取り寄せ交換が主流と聞きますが、それには時間が掛かりその間、お客様に不便を掛けます。我々は、すぐさま完璧に対処出来る技術を身につける必要があるし、如何なる問題も積極的に親身に対処する姿勢が最も必要である。今回は、ちょっと調律師向けの記事になってしまいましたが、沖縄で頑張る「南国ピアノ芸術さん」そして、日本の若き調律師の皆さん、私も負けずに頑張りますよ~~「私、失敗しないので」ピアノ調律師のドクターx・・・いやいや、ピアノチューナーx?ちょっと語呂が悪いか?・・・・・なりたいね!

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