70年前のスタインウェイアップライト

お客様より友人が毎年調律しているのにピアノの調子が悪いと悩んでいるからお電話してあげて・・・と早速連絡をしてみると「スタインウェイのアップライトなんですけど、かなり古いんです。鍵盤が上がってこない所があって困っているんです。」と本当に困っているのが伝わってくる。私は、前回いつ頃調律されたんですか?と聞くと「半年?いや4か月前だわね」と私は、スタインウェイで毎年調律しているのだからまぁ大した事は、無いだろうと思いすぐさまお伺いする事に。立派なお宅のリビングに一際存在が光る小柄なピアノ・・・スタインウェイです。私も初めて見る形のピアノで70年位前の製造のピアノ。細かな所まで念入りに作り込まれたピアノ、数年前にオーバーホールを長年のお付き合いの調律師に頼んだそうで流石に綺麗だ。早速ピアノをチェックするとお客様が言われる鍵盤が上がってこないと言う問題は、アクションのスティックの他に整調の問題で連打がし難い事がお客様の最大の悩みの様です。その悩みを全て解決する為に初めてお会いしたスタインウェイの作業に入る。鍵盤下のバランスレールやキャプスタンの形状は、日本製とは、違う。写真で見て頂きたいが、意外にこれが扱いやすい。昔のピアノの作業は、常に興味深く常に勉強、しかし作業は、プロフェッショナルで無ければなりません。しかし、作業を進める事に一つ一つ問題が解決していく様は、何とも楽しくてたまらない。最後に調律を終えてお客様に確認して頂く 「うん!これなら良いわ!」と・・・ナナナント滅茶苦茶に上手い。お客様は、ピアノを専門にされていたんですね?と尋ねると10年前までは、ここにグランドを置いて活動をしていたけれど今は、若いピアニストを世に送るボランティアみたいな事してるのよ。なんて謙遜されていましたが、最初に言って下さいねとお茶をご馳走になりながらピアノ談議に花を咲かせて楽しい事尽くめの仕事。毎日この様な仕事ばかりだったら会社で事務仕事は、やりたく無くなるな・・・きっと!

DSC_0400

DSC_0396

DSC_0398

DSC_0402