お客様宅で消音ピアノユニット取り付け

お客様からピアノを消音にしたいと相談を受けた。「前回調律に来て頂いた時にお話をしたのですが、ピアノをサイレントにして下さい。苦情が出てからじゃ遅いので取り付けお願いします。」ちょっと待って下さい。「安い物じゃありませんのでまずお伺いして詳しくご説明しますので・・・」すぐさまお伺いして商品説明から取り付けに関しての説明と金額の確認をして「奥様、安い物じゃありませんし こんな広い一軒家でとても近所迷惑にはならないでしょう?しかも、お子様は、まだ小学生だからそんな一日何時間も弾かないでしょう?勿論喜んでお付けしますが、取り付けたけどやっぱり使わないわじゃ調律に来る度に何だか申し訳ないですからね」そうお話をすると「もう2年もすると子供も中学だから弾く時間がかぎられるでしょ。どうせ付けるのならばちゃんとした物を付けておきたいんです。」ありがたいお話ですが、取り付けには休みなしで取り付けてまるまる半日かかってしまいます。ピアノは、東洋ピアノでユニットは、KORGのKHP-2000。

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消音ピアノユニットは、KORGの商品でYAMAHAは、サイレント、KAWAIがエニタイムとメーカによって名称が違いますが、目的は、どれも同じでスイッチを入れてヘッドホーンとつけて弾くとピアノ本体の音は、消えてヘッドホーンから音が出て静かに近所を気にする事無くピアノを楽しめる、またリビングにピアノが有ってピアノを弾いている時でも家族は、テレビを見れる。そういったシステムです。今回の東洋ピアノに取り付けるには、いろんなメーカーが有りますが、弊社では、数年後の保障が切れた後でも問題無くメンテナンスが出来る事を第一に考えてKORG。弊社では、日本製有名ブランドの商品だけの取り扱いをしております。

 

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このシステムは、取り付けをする技術者の技術力で大きく性能が変わります。元のピアノの調整を一から見直す必要がある。またユニット特に消音バーは、低音から高温まで慎重に前後の寸法を合わせる事が必須です。鍵盤下のセンサーの感度を88鍵同じにするには、鍵盤調整を十二分にする必要がある。ピアノに合わせてユニットを切ったり貼ったりで正確に取り付けるには、十分な時間を割いて取り掛からないと満足のいく性能は、引き出せない。よく取り付け3時間なんて話を聞きますが、僕自身この消音ユニットのたぐいは取り付け経験300台位。まだKORGもテクニクスも発売する前から取り組んでいます。これだけの経験を持つ技術者もそうそう居ない筈であるからして3時間での取り付けでは、ユニットとピアノ本体の性能をフルに引き出す事は、まず無理であろう。この類は、安かろう悪かろうであるからして消費者の皆様もどの様な取り付けをするのか注意が必要になります。また、取り付け認定資格を持っている技術者の皆さんは、キッチリと綺麗に取り付けをし調律師として恥ずかしくない技術を提供しなければなりません。取り付けが終わり取り扱いの説明をするとお客様がニッコリ笑って「実は、私が欲しかったんです。大人のピアノ教室に通い始めて練習しているのを近所の人に聞かれたくなくて・・・」と恥ずかしそうに笑って。そうだったんだ~沢山使って頂けそうだと思うと不思議と疲れが飛んで無くなる・・・いやいや本当は、代金を頂いたから?