コロナウィルスの影で!

世界中で猛威を振るっているコロナウィルス。オリンピックも延期になり不要不急の外出禁止要請。長年生きてきて初めての出来事です。全く先の見通しがつかないこの事態が一日も早く終息する事を願って最近の様子を時系列に沿って記事にしたいと思います。

例年通り2月は、普段の仕事に加え、学校調律の時期ですがいつもと様子が違う。体育館で調律をしていると先生方が卒業式の準備をしているが、パイプ椅子の数が少なくあっと言う間に準備が終える。「もう終わりですか?」と先生に聞くと「今年の卒業式は、生徒だけで行うんですよ。コロナウィルスの影響ですね!」卒業式や入学式にも影響を及ぼしてご両親にとっては残念でならないであろう。更に東関東大震災で入学式が中止になった子供達が9年経って中学の卒業式にこのような事態が起きようとは、誰にも予想出来ない事で可哀想でならない。どうか、この様な因果に負けじと明るく強く育って欲しいと心から願う。

今年の初めからポロポロと売れ続けたピアノの納品準備が連日続く。ピアノ買取価格の高騰の影響で中古ピアノ販売価格も当然上がり中古とは思えない金額になってしまっている。既に十分良い状態に仕上がっているピアノですが、購入が決まるとお届け前に再度調整を繰り返して飛びっ切りの良いピアノに仕上げてお届けするのが弊社の使命だと考えて連日作業に没頭する。一つ手を入れるとピアノが喜んでいる様でついつい大して減っても居ない部品もついでに交換しちゃおう、どうせなら高い部品に交換しよっと!と調子に乗って作業を進めるとあからさまに利益が減って「ちょっと安く売り過ぎたかなぁ~」と後悔するがどんどん良い音・良いタッチに変わって行くとそれだけで自己満足してまぁ~損はしてないから良いか!と心に言い聞かせる(笑)。実際そのピアノに掛かった作業時間も計算に入れると・・・考えただけで後悔するので考えない事に(笑)。

 

その作業時間ですが、経験と技量により差は出ますが、実際は使う工具や道具によって大きな差が出ます。もちろん調律師によっては、2~3カ所部品交換や調整はやった事があってもピアノ一台88鍵となるとやった事が無い調律師が多いかもしれません。経験は、それを何台も作業する事で養われます。何度も失敗してやり直したり作業効率を上げるために新たに治具を作ったり試行錯誤を重ねると経験と技量が上がると考えます。きっと沢山失敗した方が経験値があがりそれを克服するために色々考えぬいて技術が向上するのでしょう。また、新たな治具や工具を新調すると早く使ってみたくて、もうそれはワクワクして楽しくてたまらない。それを作業時間計算に入れるのは?ちょっと気が引けるので考えない事にしています。本当にそんなので良いのかな(笑)?ちょっと不安!

 

 

そんな折に仕事先の観光協会の方々との話で旅館関係は、中国人観光客のキャンセルが立て続けで当然日本人もキャンセル。開店休業状態と深刻な様子。弊社の仕事もコンサートの中止の連絡が軒並み入り加えて2月から4月までの結婚披露宴の延期の連絡が入る。そんな3月の3連休は、山梨県に仕事で出かけた。コロナウィルスの影響で高速道路も空いているだろうと思いながらも早めに家を出たが連休の初日だったせいかはたまたお彼岸なのか大大大渋滞。天気に恵まれた事も重なり最初のお客様宅に1時間30分遅れの到着。遅れたにも関わらずお土産まで頂いて上機嫌で友人と待ち合わせしたレストランへ。3~4年前に知り合った山梨に住む実業家であり学者でもありオーデイオのプロである大先輩に会いに遅れて到着した。そのイタリアンレストランは、キングスウェルといって落ち着いた雰囲気に上質なサービスと美味しい贅沢な料理が振舞われる。手入れの行き届いたイングリッシュガーデンにコンサートホールを併せ持つ。珍しく木造建築で品の良い自然な響きが心地良いホールには、ベーゼンドルファーとパイプオルガンが鎮座している。大先輩の計らいでオーナー自らが案内して頂いてベーゼンドルファーとパイプオルガンを触らせて貰った。今まで触ったどのベーゼンドルファーよりも音がふくよかで伸びる。あ~良いピアノだ!ホールの響きも相まって思わず調律したくなる(笑)。パイプオルガンは、正しく楽器の王様。少し鍵盤を押さえるだけでホール中に響き渡る大迫力に圧倒され身も心も清められていく感じがした。大先輩と友人と共に楽しい時間を過ごして上機嫌で帰路に就いた。帰りも当然大渋滞でしたが如何せん上機嫌なので全く疲れ知らずにちょっと遅くに帰宅した。「世の中、コロナウィルスで大変なのに大渋滞だったよ。驚くよ!」と妻に報告すると「あなたも遊びに行ったんでしょ?同じじゃない(笑)!」と一喝され、あいなく撃沈された。