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凄すぎるトム・クルーズ!

2024年8月も早半分を過ぎてしまった。この7月8月は、景気が良くて仕事が忙しくといった訳では全く無いのですが何が何だか分からないまま仕事に追われてしまった。私の家族曰く「少しボケて来たんじゃない(笑)!」と辛らつにおちょくられる始末。考えてみれば、近年の夏の暑さは尋常では無く、年齢に関係なく生産性が落ちるであろう。また、加齢によって体力や暑さに対する抵抗力全てが低下してるので何が何だか分からないのは、この異常気象のせいだと自分に言い聞かせる事にした。そんな中、楽器業界にちょっと寂しいニュースが飛び込んできたので7月8月の様子に絡めて手短に書き記したいと思います。

フェルナンデスのストラトキャスターモデル

 

7月半ばにフェルナンデスギター自己破産のニュースが飛び込んだ。フェルナンデスというメーカーは、アメリカのフェンダー社のストラトキャスターというエレキギターをまるまるコピーして販売して安価で高品質な製品として一世を風靡しました。と言っても私がフェルナンデスギターを所有した事はただの一度もありませんでしたが何だかとっても悲しい気持ちになった。当時フェンダー系はフェスナンデス、ギブソン系はグレコと完成度の高い日本製エレキギターメーカー両横砂と言った具合で初心者の学生には、それでも中々手の届かない品物だった。私は、お年玉を貯めてグレコの当時¥48.000円のレスポールモデルを所有していたが、とってもギターが上手な友人が当時¥80.000円のフェスナンデスのストラトモデルを親に買って貰ったのを少し羨ましく思っていた事をにわかに思い出した。クラッシックとは別に仲間と一緒に熱心に洋楽バンドの演奏にも真剣に取り組んだ青春が蘇る。その日本のエレキギターのメーカーが日本のバンドブームを牽引していた訳です。その老舗メーカーが業績不振に陥っていたなんてピアノとギターと種類が違えど同じ楽器業界。ましては、記憶が正しければ、確か河合楽器がフェルナンデスギターをOEM生産していたはずなのにと情報収集には何時も気を使っていた自分を恥じた。

古いテクニクスのユニットを取り外す

それ以前にこの春にKORGが消音ピアノユニットの販売を正式に中止した。コロナ騒動の中、半導体不足を理由に販売を中止して新製品の開発をしていると取扱店には案内が来ていた。事あるごとに新製品の開発の進捗状況は?と担当者に問い合わせしていたが何とも何時ものらりくらりの返答。「本当に開発してんのかなぁ~?」と疑心暗鬼になって早4年程経つ。情報元は明かせませんが今年の2月迄本当に開発はしていたとの事でした。その後、KORGの経営方針で消音ピアノユニットは廃盤と決定したそうです。困ったなぁ~新製品を待ち焦がれていたのにと正規代理店としてとっても残念である。そう思っているとお客様から電話が入る「こんにちは!横浜の○○です」弊社で29年前に新品のピアノにテクニクスの消音ピアノユニットを取り付けてお届けしたお客様でした。「消音ユニットのスイッチが入らなくなって使えなくなったんです。」今回のケースは、29年前のテクニクスの消音ピアノユニットの故障でした。原因は色々と考えられるので稼働する電源アダプターや配線と音源BOXを持ってお客様宅にお伺いすると鍵盤下センサーの不良でした。29年前ですから既に修理も出来ないので新しい物に付け替える必要があります。数年前からKORGの撤退を見越して次の商品の準備を整えていたので何ら問題なく新しい最新式を取り付けて満足して頂きました。

屋根も脚も全て取り外して作業します。

上の写真は、黄ばんだ人工象牙。   下の写真が漂白後。

それと同時に今すぐには売りたくないなぁ~と思っているグランドピアノが3台あって1台は完成しているが残り2台の磨きに調整のお仕事。昨年12月末に買い取ったピアノですがちょっと貴重品なので本当に使って欲しいと思える人に買って頂こうと思いずっと調律だけして放置していたのですがそろそろ何時でも弾けてお見せ出来る状態にして置かなきゃと思って外装から中身を全調整しております。このピアノは、響板がイタリアのチレーサ社製でとっても綺麗で良い音がします。この響板がどうして貴重かというと今話題のFAZIOLIファツィオリのピアノがこの響板を使用しているとの事で中古価格が高騰しているらしい。それならばなおの事、綺麗で良い音で良いタッチにしなきゃ!と暑い倉庫で頑張っています。そうこうしていると8月に入って直ぐにお客様宅のアップライトピアノの人口象牙の鍵盤が黄色く変色して汚いので綺麗にしたいとのご要望で弊社で漂白する事に。ちょうど弊社のそのグランドピアノも同じ人口象牙で若干黄ばんでいるので一緒に漂白する事に!。意外にピアノ調律師さんは、この作業をやった人はいなくてメーカー直属の調律師は、やり方は知っているがやった事がない。何事もやってみないと分からない事ばかりなのにと思うがまぁ~それなりに工具も必要になるのでみんなやらない様です。ただ、鍵盤は、お客様が一番目にする所なのでこれが綺麗になるととっても喜んで頂けるのに・・・!

グランドピアノのキャスターも外して磨き上げ。

脚も綺麗に磨き上げ

7月26日から8月11日迄パリオリンピックが開催されていた。もう毎日夜中のテレビ観戦で睡眠不足。また、観戦していると理不尽な審判のジャッジに年甲斐もなく怒りを覚えたり日本選手の活躍に全身に力が入り興奮して眠れなくなったりと存分にオリンピックを楽しんだ。最終日の閉会式では、何ともセンスの良い進行に感激をしていると会場の屋根の淵にトム・クルーズが凄いオーラを発しながら会場の注目を一挙に集める。そして華麗に飛び降りて会場に片足着地した。ミッションインポッシブルだ!鍛えている本物の世界的スターは、とても短い時間の登場だったが存在がまぶしい位にひかり最後に全てを持って行っちゃった。感激を通り越して唖然呆然いや~彼は本当に62歳なのか・・・60代ともなれば着地は両足でしょう!それをカッコよく決めちゃうんだもの世界のエンターテナーはやはり違う。そんな事考えながらふと同じ60代の私と言えば高所恐怖症であの屋根の淵に立つ事すら出来ないなぁ~。仮に出来たとしても気絶するな!いや失禁いや脱糞だな!なんて品の無いありもしないくだらない事に考え巡らせながら日本選手の大健闘にとっても幸せな気分になった酷暑の7月8月でした。

Discover Queen in鎌倉 覚園寺

今年の夏は、身の危険を感じる暑さが続いている。更に線状降水帯に加え落雷に突風と各地で被害が発生している。もう毎年毎年である。地球温暖化のせいなのか否かは、ピアノ屋風情には分かりませんが日本の気候が変化して色んな影響が出ている事位は分かる。いや分かる気がする。そんな中オリンピックがはじまり日本人選手の活躍が正気を取り戻す清涼剤となり、気になってついつい夜中にテレビ観戦して体中に力が入って興奮して寝不足になる。寝不足は熱中症の元ですから存分に水分を補給して仕事に取り組む。今回は、そんなこんなの体たらくな7月の様子とちょっと興味深い面白いコンサートの告知をしたいと思います。

2024年9月7日に「Discover Queen in鎌倉覚園寺」が開催される。エンタデュケーターでプロデューサーで作曲・編曲にエレクトリック鍵盤楽器奏者でピアニストで日本屈指のハーモニカ奏者と多才な西脇辰弥さんのイベントです。スペシャルゲストに佐藤竹善(sing like talking)さんを迎えてフレディ・マーキュリーとピアノと言った感じのイベントが開催される。そこで私、梅根がQueenのピアノについての解説をする事になってしまいました。このイベントには、日本中からQueenファンや西脇辰弥ファンが駆け付けますがそのお客様に失礼のない内容をご提供出来るか否か準備に奮闘し眠れない夏を過ごしております。

ディスカバーQueenとは、2021年4月から2022年4月までNHK-FMで放送された番組でメインパーソナリティーが熱狂的クイーンファンのサンプラザ中野さん。そしてクイーンの音楽をあらゆる角度から分析して分かりやすく解説する西脇辰弥さんが中心となって1年に渡りクイーンの魅力を深堀した番組でした。今と違ってアナログ録音の時代に色んなアイディアを駆使して作りあげた初期のアルバムから時代を追って曲の解析や詩の内容そして当時の機材と録音技術の妙技を西脇氏の再現で分かりやすく放送したり時代と共に進歩する機材によるレコーディングの変化、そしてメンバーの心境や環境の変化を照らし合わせて全アルバムを深堀解説した大変人気の高い高尚な番組でした。そして今回は、唯一ずっと変わらない筈のピアノの存在なのにQueenは、変化をもたらしていたという観点からピアノにピントを合わせたコンサートになる様です。Queenが大好きとかフレディ・マーキュリーのピアノが大好きとか鎌倉が大好きな方々へのちょっと面白い企画です。興味のある方は、是非お問い合わせください。

そのコンサートの打ち合わせで7月半ば過ぎ、猛烈な暑さの中,西脇辰弥氏が弊社の倉庫にいらっしゃった。打ち合わせと言ってもほとんどがエアコンの効いた部屋でQueenとかピアノの雑談というか綿密ではない打ち合わせ(笑)。それがとっても楽しい時間でした。西脇氏曰く「こんな話を当日してください。みんな喜びますよ~(笑)」と言われたがとっても話が楽しくて何を話したのかよく覚えていない(笑)。当日、とても再現出来そうもないがもうこうなったら自然体で普段通り話をする事にしようと思う。そうこうしているとピアノのタッチや整音の話になったので倉庫に調整中のグランドを見せる事になった。倉庫は、40℃を超える暑さですが、最初に調整中のピアノを弾いて頂いて途中整音をする所を実演したり使用する工具を説明したりと貪欲に興味を深くされていたのでとあるクラッシックピアニスト用にタッチや鍵盤に特別な調整を施したグランドを弾いて貰う事にした。触ると直ぐに「あ~違いますね~!」そして「このピアノは、弾けば弾くほど色んな事を教えてくれますね。」と言いながら色んなタッチを試みて音色を変化させている様子を見て「さすが第一線で活躍する一流のプロ。大したものだなぁ~!」とつくづく感心しながら心で呟いた。そうしたらベートーベンの月光3楽章を弾き始めた。その演奏が素晴らしく重ね重ね大したものだなぁ~いやもう脱帽でした。そしてこのタッチの説明を求められたのでこの場では、書けないウルトラCを説明して「とっても繊細な調整なので家庭に置くピアノにはちょっとリスキーなんですよ。でも毎日必ず使うピアニストにはたまらない調整です。」と最後に説明を加えると汗まみれの西脇氏の目がキラリと光った。さぁ~コンサート本番まで1月を切りました。まだまだ準備をする事がありますがどうか当日、皆さんが喜んで楽しんで頂ける様に準備を重ねたいと思います。また、その様子は、この場にアップしたいと思います。どうぞ皆様、熱中症にお気を付けてオリンピック日本チャチャチャでお過ごしください。