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LESTER PIANO覚悟の修復

2022年も半分が過ぎて梅雨らしからぬ陽気。昔の梅雨は、来る日も来る日もシトシト雨が降り続けてピアノの調子が悪くなる過酷な季節でした。しかし近年は、各家庭の気密性やエアコンの性能が著しく進化してピアノ調律師がこの季節はと過酷に感じる事は少なくなった。また近年の異常気象が一番の影響なのでしょうか?しっとりとシトシト降り続ける梅雨とは随分様子が違って来ている様に感じる。今回は、そんな5月から6月の様子を記事に書き記したいと思います。

コロナウィルス騒動で大人のピアノ人口が増えたと業界報道があった。弊社も新規のお客様に大人の方が随分増えた事は、実感していた所です。また、子供の頃に使用した思い出のピアノを綺麗に大修理したいとの依頼が以前に比べると圧倒的に多くなりました。思い出のピアノを大切にする大変喜ばしい事ですがその作業は、困難を要する。というのは、ピアノ業界全盛期のピアノは、大量生産したので個体差があって意外にも大手メーカーの新品ピアノも根本的に歪な調整のまま場当たり的な調整で出荷された商品も少なからずありました。メーカー問わずどのメーカーも生産が追い付かないが故のピアノメーカー花盛りの事情だった訳です。その様なピアノに出会うと間違いを正す様な正義感でピアノと向き合い正しい寸法に直して良い音に仕上げるのが弊社の仕事だと思って奮闘している。

ご自宅を新築に建て替える間、弊社で保管してその間に修理をする仕事で上記のケースに当てはまるピアノで修理に手を焼く。鉄骨とアクションが歪に湾曲して取り付けられて大きくたわんだ状態。何度も寸法を測りながら位置を決めて調整を繰り返す。ようやく平行が出たら今度は、全てのアクションの整調をするが最初のダンパーは、大方全てをやり直す羽目になる。ピアノ調律師ならば出来れば避けたい作業だと思いますがどうやら避けられない最初の作業になる。覚悟を決めて思い切れば案外何てことなく出来るのだが面倒な作業なのでなかなか重い腰が上がらないのが現状でしょう。もちろん、この作業をお客様宅でやるなんて私も絶対にやりたくない。ただこれが決まるとまるで自分が名医にでもなったような気分でピアノが正当に蘇っていくのを実感できる。

6月に昨年9月にピアノの状態を見に行ったお客様より上品な声で「どうしても、あのピアノを処分する気持ちになれないのでピアノの修理をお願いしたいんです。」と電話があった。昭和41年製のLESTER PIANOでべろんべろんに音が狂っていました。各所に著しく音の下がった所が何か所もあってピンズルである事が触っただけで確認できた。ピアノを慎重に観察すると17年前までは毎年調律されていましたがチューニングピンが緩く2本太いピンに交換してありましたが既にそのピンのトルクも緩くなっていてその横方向のピンが全てピンズル。すなわちピン板が割れている可能性がある。響板も割れあり過乾燥であった事が想像出来た。お客様に聞いてみるとすごく初期の全館空調が入っていたそうで今は、壊れていて使ってないとの事でした。私は、ピン板の交換やその他木工修理に塗装と概算でもかなりお金額になる事を告げました所、また、その金額でしたらもっと良いピアノが買えますよと提案したがお父様が買ってくれた思い出のピアノなので他のピアノにする気は全くないと仰られてお客様宅を後にした。9カ月ほど経ってお気持ちが固まったとお電話頂いた次第です。先日ピアノを引き取ってざっと調律をしてみるとやはり調律が出来る状態ではありませんでした。これからピアノを分解してピン板から全てを作り直して新品のピアノの様に再生するお仕事。難しい仕事なので、たっぷりとお時間を頂いて綺麗に仕上がるまで何度でもやり直して上品なお客様に見合う綺麗なピアノに仕上げるのは、重責を担うがとってもやりがいがあって楽しみでならない!

4年程前の話ですが、長い間お世話になっているピアニストから電話が入る。「お世話様、○○です。来月あたりに八千代市に引っ越す事になったんですよ!ピアノの移動と調律をお願いします!」「八千代市って何処ですか?」「八千代市知らないの?千葉よ、東京のちょっと先だからそんなに遠くないのよ・・・住所を教えるから・・・」と移転先が何処なのか良く解らないままに強引に押し切られた。大変お世話になった先生なので少々遠くても喜んでお伺いしたいと思って地図で調べるとまぁ~遠い遠い片道2時間半掛かります。最初は、ちょっと気が重くなりましたが弊社で高価なグランドピアノを2台購入して頂いて長年大変お世話になっている大先生ですから喜んでお伺いさせて頂く事にしました。ドライブ気分でコロナ過も関係無く年2回程お伺いして今年も3月にお伺いしたのですが5月の金曜日、昼過ぎに電話が入る。「お世話様、○○です。弦が切れちゃったわ、高い所のFisの音。遠くて申し訳ないけれど来て頂ける?」「もちろんお伺いします。」「お忙しいでしょうからご都合のいい時に直ぐ来て欲しいわ(笑)。」「それは、急いで直ぐ来いという事ですね(笑)?」というと「ご都合付くのかしら?」「明日の土曜日は、朝一番で倉庫にピアノの入荷があります。それが終え次第そちらに向かいますから先生の都合は大丈夫ですか?」と告げると「助かるわ~じゃ~明日待ってるわね!」と嬉しそうに電話を切った。翌日、いつもの運送屋さんが朝一番早々にやって着て9時過ぎ早々に搬入作業を終えたので急ぎ八千代市に向かった。コロナの外出自粛規制解除もあって高速道路は、かなりの交通量で渋滞もありののろのろ運転で混雑しているがお昼前にピアニストの家に着いた。直ぐに作業をして12時には、全ての作業が終えてしまった。ピアニストのお主人様がピザトーストを調理して3人で雑談をしながらのお昼ごはんをご馳走になった。お主人様が「今日は、ご予定があったんじゃないですか?いつも無理ばっかり言って本当に申し訳ないと思って居るんですよ(笑)。」「いえいえ、今日は朝一で倉庫にピアノが入ったのでその後、そのピアノの整備でもしようかなぁ~と思っていた所に先生から電話でそれは何をさて置き、いの一番で駆け付けなければと丁度良かったです(笑)!」すると先生が「この後は、会社に帰って作業なさるのかしら?」「いやいやこれから帰ってももう今日は作業にならないですよ(笑)ちょっと早く来すぎちゃいましたね(笑)」というと「ここの近くに京成バラ園があるんだけどちょうどバラが満開よ!寄っていかれたら!」と言って一緒に京成バラ園に向かった。一面色とりどりの満開のバラに圧倒される。なんて綺麗なんだろう。年を重ねるとバラの美しさと香りが身に染みる。とっても贅沢な時間を過ごしたが物凄い人出にコロナ大丈夫かな?と思わず心配になる!。そしてバラ園の綺麗なお姉さんに勧められて初心者用の香りの強い「プリンセスヴェール」というバラの苗木と薬や土などなど色んなものを勧められて買い込んで上機嫌で帰宅した。すると妻が「一人でバラなんて買い込んで来て・・・」と不機嫌になった。というのは、私も京成バラ園に行きたいとその様な訳で次の土曜日に妻のご機嫌を取る為にまたまた京成バラ園に向かった。見事なバラの美しさに妻も上機嫌になってバラの苗を4鉢追加購入した。翌日は、一日掛けてつつじを全部抜いて計5鉢のバラを地植えしてその後、3週間に渡って毎日バラが咲き乱れた。YouTubeでバラの育て方を沢山見過ぎてちょっと混乱しているが毎朝、水やりをして見事に咲いているバラをひとしきり眺めてから出かける素人丸出しの日々が始まった。何より義母と妻が大層に喜んで家庭が明るい。女性は皆いくつになってもバラが大好きなんですよ。まるで猫とマタタビの様に!とFacebookでお友達の著名な園芸家が教えてくれた。60代にして初めて興味を持った薔薇の世界に今はとってもワクワクしている。何せ女房の機嫌が良いから家庭が明るくて安心して日々の生活が送れます。凄いなぁ~薔薇って奴は、やっぱりマタタビなんだなぁ~(笑)!

 

心霊現象のピアノ

楽しい楽しいゴールデンウイークも関東地方は、大方天気に恵まれ暑い気持ちの良い連休だった。毎朝データー放送で道路交通事情を見ると真っ赤に表示された高速道路。特にアクアラインを先頭に湾岸高速道路の渋滞は、早朝6時位でも真っ赤に染まっている。千葉方面へお出掛けされる人の多さに驚かされる。アクアライン、東京湾を横断するあの長い海底トンネルがたったの800円。それはドライブに出掛けたくなるのも理解できる。さて今回は、今年の4月からゴールデンウィークにかけての出来事を書き記したいと思います。

今年もアップライトピアノの修理鍵盤ならし・あがきと腰が痛くなる。携帯で写真を撮り貯めていると1年前2年前3年前などと以前の写真が掲載されて否が応でも見る事が出来る。私の場合、元々携帯の写真のほとんどがピアノの写真で皆さんが見るとどれも代り映えしないものばかりですが実は結構違っていてレアなものからどうでもいい物までよりどりみどり。数年前は、こんなピアノ触っていたんだ!なんて年を取って記憶力が衰えてくる所に便利グッズが重宝している。思えば、3年前のコロナ過で休業を余儀なくされコンサートなどのイベントがすべて中止になったり今まで経験した事の無い事態に戸惑い何より気楽に人と会えなくなってしまった事が何よりつまらない。私が書き記すこの記事も以前は、仕事の先で大失敗した事や面白い事に出くわした事を記事にしてネタに困る事なんて無かったのに、最近は、修理仕事の記事が多くなった。詰まる所、皆さんにお伝えしたい面白い事に出くわさなくなっている訳です。今年も去年も一昨年も以前のゴールデンウィークの写真は修理作業の写真になっている。修理仕事は、とっても楽しいので問題は何も無いのですが、もう3年ともなると友人達とのくだらない会話がとにかく恋しい。ただ、あのくだらない会話の中に多くの情報が含まれていた事に気付くと改めて目を見て話す対面のコミュニケーションの重要性を実感する。もうそろそろ、あのくだらない時間を過ごせる事を心から願っている。

2021年は、ShigeruKawaiの出荷調整2020年は、YAMAHA C5鍵盤張り替えなど
2019年アップライトピアノのアクション修理
2018年は、スタンウェイグランドの修理

先日、若くて綺麗なJAZZピアニストから電話があった。「もしもし。○○です。アップライトピアノの消音装置なんですがちょっと調子が悪いんですよ。DAWに繋いで入力した時にグリッサンドが上手く入力できないんですよ・・・。」私は「じゃ~お伺いして見てみましょうね!」と言って都合を合わせてお伺いした。このピアニストは、スタンウェイのグランドピアノを所有しているのですがアップライトピアノに取り付けた消音ピアノユニットを利用してDAW(音楽製作コンピューターソフト)に入力する為に使用しています。アップライトピアノの方は、ここ数年調律をやって無くて常時消音ユニットで使用をしているのでまぁ~ピアノの機械の調整が狂ったんだろうと予測出来ていた。ピアノを触ると案の定、過度の使用と温度湿度の影響で整調が大きく狂っていた。私は、ささっと全鍵の整調を消音ユニット用に再調整して鍵盤下に取り付けたセンサー位置も再調整をして全てを見直して作業を終えた。ピアニストに確認してもらってピアノを前に雑談をしていると「ピン!」と音がした。「あれっ!なんか音しましたね~」と言うと「そうなんです弾いて無いのに音がする時があるんですよね~(笑)!」と「え~そんな事あるのかなぁ~(笑)!心霊現象じゃん~(笑)」と言って二人で大笑いしているとまた「ピン」と音がした。「あれ~ファの音だね~!おいおい心霊現象?(笑)!」音は、NO57のFの音でした。私は、スイッチを入れたり消したりしてピアノを弾いてみると演奏の途中でもまるでミスタッチをした様にファの音が時折鳴る。「いや~ビックリですね!これは、私も初めての経験なので問い合わせてこんな事例が有るのか、またどこが悪いのか聞いてみますからそれから対処をします。まだ取り付けして5年位ですからちゃんと修理しましょう。」と言って家を後にした。車に乗って直ぐにメーカーのサービスに電話をした。これこれしかじかで「弾いて無いのにポンと音がするんですが、こんな事例なんてあります?」と聞くと「あります。」「あるの?」「はい!あります。」「もう心霊現象かなって思う身の毛もよだつ現象なんだよ(笑)!」冷静な声で「はい、鍵盤下のセンサーの故障でその様な現象が報告されています。」「じゃ~センサーを送れば修理できるんですね!」「はい!出来ます。ただ、今は半導体不足の影響で修理は、3か月見て頂いております。また、故障原因がセンサーなのか音源BOXなのかは、作業して見ないと分かりません。」「3か月?それまた随分時間が掛かるじゃない?」と言うと「大変申し訳ございません。現在修理は3か月位見て頂いております。」「もうちょっと短くならないの?3か月消音使えないんじゃお客様に迷惑が掛かっちゃうよ!じゃ~新品のセンサーを送ってよ!」というと「半導体不足で新品のセンサーが1台も無いんです。」「じゃ~センサーと音源BOXの両方を送りますから出来るだけ早めに他所のを後回しにしてうちのを先に修理してください(笑)。どうぞよろしくお願いします。」と言って電話を切った。直ぐにピアニストに電話をして3か月の修理期間の話をして後日ユニットを引き取りに行きその日の内に宅配業者に持ち込んだ。送料2.420円だった。箱が大きいといえども結構高い。コロナ過の影響で未だに収まらない半導体不足。以前の記事にも書き込んだが楽器業界にも深刻な品薄状態が続いている。ロシア侵攻などの影響や米国利上げの煽りを食って急激な円安で物価の高騰にエネルギー問題で原油高も止まらずにガソリンは、どんどん高くなっている。3か月後?のユニット返送の時に宅配料金上がってるのかなぁ~とか思って金額をここに書き記して置こうと思った次第です。そしてロシアのウクライナ侵攻の報道でウクライナの首都キエフがいつの間にかキーウと報道されている。キエフじゃだめなの?昔からキエフと教えられてあのムソルグスキーの展覧会の絵では、最後の壮大なクライマックスが「キエフの大門」。これからは、「キーウの大門」になっちゃうのかな?これはちょっと一大事だなぁ~いつからキーウになったんだろう?放送業界で取り決めたのかなぁ~なんてまたまた下らない事を考えたり。まぁ~なるようにしかならないのが世の常ですが、何より一番に願うことが戦争を早く終えて欲しい。良く分かりもしない私が思うのだからきっと世界中の人達も同じ思いでしょう。安心して笑顔で過ごせるそんな日がただただ待ち遠しい。

 

 

 

桜吹雪に魅了されて!

桜の花に誘われて気分も晴れやかに前向きな気持ちが沸々と湧いて来る。毎年この時期は、同じことを感じながら意気揚々と新たな躍進に胸を躍らせるが力が入り過ぎてただただ踊って終わっちゃったりするので、ちょっと力を抜いて行こうと思うと上手く力が入らず仕舞いでコントロールがとっても難しい(笑)。そんなこんなでも、だんだん暖かくなって来ると満開の桜に誘われるように外に出かけたくなる。この春は、NHKの大河ドラマで鎌倉が舞台になっているので何時以上に賑わっていてやっぱり桜の時期の賑やかな鎌倉は、良いなぁ~とつくづく思う。今回は、ウクライナやオミクロンといった世界中大混乱の最中にちょっと力を入れちゃったお仕事の様子を記事にしたいと思います。

ようやく年度末も終えてちょっと一段落すると毎年この時期にピアノ調律師のSNSで話題に上るのが学校のピアノの状態の悪さと調律料金の話題。どうしてこんな酷い汚いピアノになってしまっているのか?とか学校調律でこんな事やあんな事があったと書き込みが続いてほんの少し盛り上がっても解決策はいつも見出せずにそろそろ尻すぼみになる。私は、一切書き込みなどはしませんが随分昔の話ですが、とある高等学校の音楽室のグランドピアノの調律。めちゃめちゃに音が狂っていて鍵盤の下がったまま上がってこない(スティック)箇所が多数あるコンディションの悪さで尚且つ色んな異物ごみが沢山入っている。チョークの粉とホコリにもまみれてとにかく汚い。調律する前に掃除を始めるとピアノの中から数本のタバコの吸い殻。「どうしてわざわざこんな所に詰め込むのかなぁ~(笑)?」てな感じでそんなのは、当たり前の時代。酷い酷いを繰り返しても調律師が出来るだけの事をして良くして行くしかありません。しかし音楽専科の先生が優秀で熱心だと生徒のレベルが高くなって楽器の扱いもちゃんとされている様に感じる。音楽室の掲示物やその様子からして熱心さが読み取れる。当然、先生からピアノに対する要求も高くなるのでこちらもちょっと嬉しくなって熱が入る。体育館のピアノなどは、ちょっと整調と整音をすると良い音がする様になる。天井が高くて広い体育館にふくよかで煌びやかな音が隅々まで届くと分かる先生はびっくりされる。費用対効果といった意味では、私は採算度外視のボランティアだと思っているので出来得る限りの事はして差し上げたいと楽しんで作業に取り組んでいる。調律を終えた後に先生が満面も笑みで「すごく良くなったわ!低音の響きや煌びやかな音、長い時間ありがとうございます!」これ以上の見返りは、ありません。昔誰もがお世話になった学校。未来を担う子供たちが学ぶ学校に恩返しのつもりでちょっとだけ余計に頑張った事で社会に貢献出来たという自己満足に満たされている。

そんな中、28年ぶりのお客様から電話が入った。「○○と申しますが昔そちらでピアノを購入した者です。」と「○○さま、お庭にバラの垣根のある(笑)」そこまで言うとお互いに笑いが込み上げて「ご無沙汰しております(笑)。よ~く覚えておりますよ(笑)」と少し昔話をして、すると「あのピアノなんですが、今度は、私がピアノを習う事になって電子ピアノとか色々見に行ったんですがどうにも本物のピアノとは余りに音が違うのであの古いピアノを弾ける様にして欲しいのと今月末から家のリフォームで床も張り替えるのでその間、ピアノを預かって頂けますか?」とご相談でした。30年前に弊社で新品ピアノをご購入して頂いたお客様でした。最高級ピアノを購入して頂いたのにあまりご使用になられずに28年調律もお伺いしておりませんでした。とりあえず、ピアノを引き取ってみると外装は、大きな傷は無くとっても綺麗な状態。通常30年の月日が経つと打ち傷や塗装の欠けの二つや三つあって当然ですがとても良い状態。生活の様子が想像付きます。それでも30年ですから多少のひっかき傷や脚注の細かな傷はありますが、外装に関しては、ちょっと珍しい位に状態が良い。内部は、28年調律していないのとリビングに置いてあったので温度湿度変化で音の狂いは著しく内部のカビやホコリに汚れで大変な状態。とは言っても30年しか経っていないので我々にとっては、まだまだ新しいピアノです。

とりあえず外装から作業に入り磨きや塗装修理・金属磨きを終えてピカピカにして問題の内部作業に取り掛かった。ピアノの状態を把握する為に駄々下がったピッチ上げ調律を始めた。調律をしながら色んな所をチェックして行くと、全く弾いていないピアノなのに虫食いが全く無かった事は、幸いでした。当然の事ながら鍵盤のバランスピンやフロントピンは、緑青や変色が出ており左右の鍵盤の高さもずれているので最初から鍵盤調整を全てやる必要がある。ハンマーは、大して弾いていないのですが湿気によるカビと弦のサビ跡が付いているので軽くファイリングして整調・整音・調律を何度か繰り返すことで物凄く良い音のするピアノに蘇るでしょう。全ての作業が順調に進んでいたが少しだけピアノがぐらつくのが気になった。まぁ~この位はよくある事ですがせっかくピアノを引き取っているのでキャスターを確認してみようとピアノを寝かせてみてビックリした。頑丈なキャスターが三つに割れていた。割れているが綺麗にハマって居るので気を付けて運べば問題は無さそうだが知っちゃった以上このままにする訳に行かないので交換する事にしたがこの大型ピアノのキャスターは現在使われていないので入手するのに苦労した。あの手この手を使ってようやく一つだけ見つける事が出来たが届いた物は2mm大きくお皿の部分も1.5mm歪に厚かった。ピアノの水平を保つために電動工具やノミや金槌を用いて七転八倒しながら5時間。前足の水平も取り直してようやく納得の行く水平が取れた。ここまで手を尽くすとピアノも何だか上機嫌なのかとっても良い音を奏でている。当時は、ピアノが沢山売れていた時代なのでメーカーの倉庫に浜松から数台取り寄せて私が弾きに行って選んで(選定)一番いい音のするピアノをお届けしたお客様です。まぁ~とても良い時代の高級ピアノな訳で見た目も音も贅を尽くした楽器業界の良き時代の最終期のピアノです。嬉しい事にこのピアノを通じてまた、お客様とのお付き合いが再開されました。これも正に調律師冥利に尽きると言えるでしょう。今日も晴天に恵まれて暑いくらいの陽気。桜吹雪にそろそろ桜も終わりだな~とちょっと幻想的な景色を眺めながらふと1か月位ずっと満開の桜とか無いのかなぁ~(笑)?そうしたらもうず~と浮かれっぱなしで楽しくてゴールデンウイークに入ってまた浮かれてと・・・そうだとずっ~と楽しいのに(笑)!でも梅雨に入ったら気分もどんより沈むかな?・・いやいや今度は、紫陽花が咲き乱れるか(笑)!