初めての体験!

あ~今日も昨日も一昨日も暑い!明日も明後日も暑いのだろう!尋常で無い暑さは、毎年凄さを増している様な気がする。昨年は空梅雨でしたが今年は、長梅雨で日照時間が極端に少ない。ジメジメした日々が続いたせいで各所のピアノが悲鳴を上げてトラブルによるSOS電話が沢山鳴り響いた。その中でちょっとビックリしたSOSについて今回は、書き記したいと思います。

10月から消費税10%。今までは、消費税アップの前は、連日テレビで取り上げて国民を煽って駆け込み需要が大いに見込めるのだが今回は、やれ吉本興業やジャニーズ、韓国問題そしてこのお盆休みは、大型台風襲来と一向に消費税には、触れない!取引先や国税局からは消費税アップについての連絡事項が続々と寄せられるのに不思議だな~と思い弊社は、今年ピアノ購入予定のお客様に「消費税上がったらピアノは、高額ですからその前に!」とロビー活動を繰り広げた効果が表れたのか?7月8月にパカパカとピアノが売れた。9月末までに納品しなければならないのでこのお盆も返上してピアノの納品準備や修理に明け暮れている。弊社倉庫の作業室に今年エアコンを取り付けたので、そこで沢山仕事したい逸る気持ちで作業室に身を置くと、どうせ交換する部品であればと通常より3倍~5倍もする部品を使っちゃおうともう趣味道楽の世界ですが少しでも良い物を使って良いタッチで良い音がした方がお客様もピアノも喜ぶ。いや本当は、僕が楽しい!夏休み無でも何だか楽しい嬉しい(笑)!

7月の土曜の早朝に、電話が鳴り響いた。「ピアノの音が出ない所や鍵盤が上がってこない所が数カ所あるんです。」と鎌倉のとあるお寺からのSOSでした。何時も電話連絡をして頂いてる担当のお坊さんです。「明日、雨が降ったら本堂でコンサート開きますのでグランドを使います。晴れた場合は、野外で電子ピアノでコンサートをするのですが何とも天気が読めません。万一雨が降った時に演奏者が困ってしまいますので急で申し訳ございませんが修理をお願いしたいのですが?」私は、「きっと湿気でしょう。お伺いすれば直ぐに直りますよ。しかし明日本番と言われると今日しかないですね。困りましたね。」その土・日は、スケジュールがびっちり入っていて困り果てた。「ちょっと電話を切ってお待ちください」と言ってお昼のお客様と午後のお客様に電話を入れてお寺の事情をお話してお二人のお客様が快く1時間ずつ時間をずらして頂いた。早速お寺に「では、今日の3時位にお伺い致します。」と伝えると「無理を言って申し訳ございません。どうぞよろしくお願い致します。」と電話口から安堵した気持ちが伝わって来た。

お寺に到着するといつも閑静な庭園に大勢の人だかり。「今日は、お祭りなんですか?」と聞くと「蓮を見る会なんです。」私は、「あ~池の水全部抜きますのテレビに出た池ですか?」と聞くとニッコリ笑って「あのテレビで有名になりまして、この賑わいなんです(笑)。」本堂脇の池に面して大勢の方々が蓮を眺めてくつろいでいる。「なるほどここで野外コンサートですね」と事情が理解できて急ぎ本堂に向うと何時ものピアノが本堂の中心に移動されていた。早速、ピアノを弾いてみると完全に湿気によるトラブル。その数、数カ所ではなくほぼ全鍵。いや~30分で終えると思って来たがちょっと甘かったなぁ~!急ぎ作業に取り掛かった。

本体からピアノアクションを取り出して機械部分の修理に取り掛かった。鎌倉で格式高く由緒あるお寺の本堂は、海近く磯の香りのする。その大きな本堂には、周りに大勢の人が往来できる濡れ縁が縁どられていてその先に蓮の池が佇んでいる。全ての木窓は、天候に関わらず日中は、何時でも解放されている。ピアノにとっては、大変厳しい環境で考えようによっては、屋根こそあるが如何なる時も野外に設置しているのとほぼ変わりない状態。明日のコンサートでピアニストが困らない様に念入りに修理を進めて行ったが何かおかしい???何だろう??タッチが変で理由が分からない。その時点でもう汗だく状態。しょうがない分解するか!と覚悟を決めて分解して不可解な所を見ると何か木の様な筒が詰まっている。これかぁ~とピンセットで掴むと砕け散った!なんだこれ?今度は、他の筒を慎重に掴んで取り出すと泥で出来た見た事も無い様な??あれ!「これって土蜂の巣じゃないかなぁ~?」と思わず独り言を発した。初めての出来事に慌ててアクションを裏返してみても何もない。急ぎピアノ本体をのぞき込んで見たら沢山の土蜂の巣?が散乱していた。慌ててお寺のお坊さんに「掃除機無いですか?」というと「掃除機ですか?何かございましたか?」「いや~僕も初めてなんですがピアノの中に土蜂とみられる蜂の巣がありまして」ここまで言うと「直ぐにお持ちします」しばらくして「お待たせしました。どんな蜂の巣ですか?」とダイソンのハンディクリーナが差し出された。お寺のお坊さんに似つかわしくない近代的な掃除機が差し出されてちょっと可笑しくなったが「これですよ!」とお見せすると「お~どうして、何処から入ったのでしょう?」摩訶不思議な蜂の巣に共に苦笑いを浮かべてダイソンで一気に吸い取った。「さすがダイソン!吸引力抜群(笑)!」と言って一見落着した。蜂は、皆巣立っていましたが一体何時巣作りをして何時居なくなったんだろう?また、月に1回の演奏会中に蜂はどうしていたんだろう??一般家庭では、まず起こりえないケースですが演奏者やお客様が蜂に刺されなくて良かった!とほっとするが、果たしてこれを防ぐ手立てが思いつかない!また、巣作りされたらピアノに蚊帳でも吊るすしかないかな!