「#ピアノ調律 鎌倉」タグアーカイブ

営業自粛の様子NO.2

2020年7月は、梅雨前線の影響で熊本県南部を中心に今までに無い記録的豪雨による被害が発生した。この前線の影響は、岐阜県やその他の地域にも及んで多数の死者や行方不明者・浸水被害に土砂災害と未だ予断を許さない。この災害によりお亡くなりになられた方々に心よりご冥福をお祈り申し上げると共に被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。弊社は、微力ではありますが、各地の異業種の仲間達と力を合わせて活動の支援を行ってまいります。さて今回は、前回の続きで自粛中の様子を記事にしたいと思います。

ゴールデンウィークも自粛であっと言う間に過ぎて5月9日を迎え営業自粛宣言が終了した。しかし何だか世間の様子からしてお客様宅に電話を入れるにはちょっと気が引けて躊躇しているとお客様の方から続々と電話が入った。「ホームページで休業しているのを知っていたのでお電話するのもどうかなと思っていたんです。もう再開されましたか?」と「ホームページ見て頂いてありがとうございます。弊社もアルコール除菌の後にゴム手袋とマスクをしてお客様宅にお伺いする事にしておりますが、もしそれでよろしければ是非お伺いさせて下さい。」そんなやり取りしてご連絡頂いたお客様から徐々に仕事を再開する事にしました。そんな折にホームページからのお問い合わせで新規のお客様からの申込み重なりお伺いすると「在宅勤務で時間が出来たというより少しゆとりが出来てまたピアノを始めたいなと思って」また別のお客様は「またピアノを始めたいんですが近所に聞かれるのが恥ずかしくて消音ピアノユニット(サイレントピアノユニット)を取り付けて頂きたいんです。」または、以前私がお伺いしていたお客様で「ご無沙汰しております。またピアノを始めたので調律をお願いします。」などなど休業明けにお客様からのお電話やメールに私も徐々にエンジンが掛かって来て弊社はすんなり再開する事が出来ました。その新規のお客様の中に関西のご実家からアップライトピアノを運んで使える様にして欲しいとのご依頼があった。運んでいざピアノを見るとYAMAHA U3H。長年調律を行っていないので相当に音が下がっている。フレンジーコードは、想像通り沢山切れている。88鍵分全てのフレンジコードを交換して整調・整音・調律をする事にした。十分に休息は取ったので有り余るエネルギーで仕事がはかどるはかどる。やっぱり仕事は、良い物です。何よりどんどんピアノが蘇ってくると楽しくてならない。

休業中も弊社商品倉庫でピアノの入れ替えに伴い在庫ピアノの手入れや保管ピアノの出荷と完全に休業とは行かなく「今日出来る事は、今日やる!」の意気込みでモチベーションを保った。体をいたわりながらゆったりと休みを取り入れて仕事をこなしているとミスも無く意外に早く仕上がる。今までの集中して一気に短時間で仕上げる方法とトータル的には大きな時間の差は無い事に気づいた(笑)。性格なんでしょうね、集中すると終わるまで止めたくない性格。しかしゆっくりと取り組むと作業が進む毎に片づけをしながら掃除をしながらまた作業を進めるとかえって効率が良く気分も良く何より体が楽!この歳になるまで何やってたんだろう!とちょっと凹んだが、これも休業して時間のゆとりが出来て気持ちの上で見つめ直す良いきっかけとなった。

別の新期のお客様宅では、調律した後で「消音ピアノユニット取り付けて頂けますか?」と、ありがたい注文を頂いた。このユニットの取り付けについては、本ホームページの記事の中で何度となく取り上げていますが、どうやらお客様は、ちゃんと記事をお読みになっているらしく一日掛かりの仕事になりますがと申し上げると「その様ですね宜しくお願いします。」と十分に下調べをされてからのご依頼であった。ありがたい事にこの様なご依頼で立て続けに消音ピアノユニットの取り付けの仕事が続いた。また、「連絡しようしようと思いながらついつい忙しくて先送りになってしまって(笑)。」そんなお客様が多数これを機に電話くださって何年ぶりの再会と成ったりと休業明けの仕事は、想像と相反して忙しくなった。しかし申し訳ございませんが、3月から6月の調律予定のお客様に置かれましては、ちょっと予定が遅れて混乱しております。まだまだコロナウィルス騒動は、収まっておりませんので徐々にご連絡を差し上げまして感染防止のご了解を頂けましたらお伺いさせて頂きますので、どうぞ宜しくお願い申し上げます。今回の騒動で私も色んな会議は、全てZOOMインターネット会議になった。年齢が年齢なので会議となると多少の発言をする機会もある?いやどちらかと言えば発言は多い方ですが(笑)、ネット会議となると何だか噛み合いが薄れて空気感が読めずに発言する気持ちが起きてこない!これから世の中、どんどん在宅ワークに打ち合わせや会議はネットに移行するようですが、本当にそれで良いのかな?もちろん全てがそうなる訳では無いでしょうが、世の中の仕組みは、その方向性にシフトして行くのでしょう。最近お伺いしたお客様達皆さん口を揃えて「主人が毎日家で仕事しているともう大変なんですよ!」「朝・昼・晩3食、食事作らなきゃいけないし子供が居るのは良いんだけど早く会社に行って欲しいわ(笑)!」と段々エキサイトして来て「仕事しているとか言って覗いてみるとYouTube見てたりしてるんですよ(笑)」と「まぁまぁ、たまたま休憩してたんでしょう(笑)」と言うと「ほとんど休憩なのよ(笑)!」とお互い他愛無い話や美味しい物の話で盛り上がって「今日は楽しかったわ!久しぶりに大笑いしたわ!」と言って頂いた。ふと、僕も休業中は、そう思われていたのかな?いや休業中、家に居る時はお昼の支度は、豪華に全て僕が作ったし率先して食材の買い出しは行ったしなぁ~?と考え直した(笑)!次に自粛要請があった時は、晩御飯も作らなきゃならないかな?

休業宣言の最中に!

コロナウィルスの影響で4月9日より休業を宣言して早3週間。いよいよゴールデンウィーク突入。ニュースで鎌倉や江の島界隈の大渋滞が報道されると私の自宅町内では、早朝から「鎌倉には、お出かけにならない様に!」と不要不急の外出を自制する呼びかけ放送が鳴り響く。暖かく気持ちの良い晴天に誰もが活動的になるこの時期の自粛要請は、かなりのストレスが溜まる事でしょう。そんな休業を余儀なくされたこの頃の様子とふと思い出した昔のお話を今回は、記事にします。

不要不急と言えども食料の買い出しはしなくては、飢え死にしてしまうのでいそいそとスーパーや商店街に買い出しに出掛ける。すれ違う人、通りを歩く人、車を運転している人、目に入る人ほぼ全員がマスクをしている。もうその異様とも言える光景が事態の深刻さを表している。若いお姉さんや昔若かった女性も顔の半分は、自然とマスクに隠れる。もう綺麗なのかそうで無いのかすら判断出来ない。男に関しても怪しげな人なのか危ない人なのか判断出来ない。「緊急事態宣言てこういった意味も含まれてるんだなぁ~(笑)!」とくだらない事をつぶやくと横で妻が呆れたを通り越した冷ややかな目でちらっと見た。あ~ストレスが溜まって来ているんだなぁ~と良い様に解釈する(笑)。ニュースで海外の様子が映し出されると海外でも行き交う人皆がマスクを着用している。もう世界中の人間が全員マスクしているんだ!これから人類は、マスクするのが当たりまえになるのかなぁ~。もう一生みんなで半分顔隠すともう誰が誰だか分んなくなっちゃうなぁ~!これは一大事だ!なんてまたまたくだらない事を考えたが、今度は、叱られそうなので口にするのをグッと堪えて真摯に一日も早い事態の終息を心から願った。

1カ月間、仕事を休んだのは、今から25年位前だったかなぁ~!33Kgの愛犬を抱っこして自宅階段を踏み外して左足を骨折した時以来である。その時は、左足にギブスで松葉杖なのでピアノ調律をしようにも出来ない状態。覚悟を決めて療養に専念して安静にしていた。それでも世間は、通常通りの経済活動なので横になっていても電話は、鳴るわちょっと来てくださいなんて事もあって左足骨折だったので車を運転して行くとお客様が驚かれて数年経っても「あの時、梅根さん松葉杖で片方革靴で片方サンダルでしたね~(笑)。あんな時にいらして頂いて申し訳なかったです!」と笑い話になる。その時期、お休みしている時に携帯が鳴った。「横浜の○○区の○○です。梅根さんですか?」当時、6年程のお付き合いのお客様でした。最初にお伺いした時は、親戚に譲って頂いたKAWAIのピアノで購入して1回しか調律していない為にピッチが全音下がっているひどい状態での作業でした。古い日本建築の大きな家で玄関を入ってすぐの和室にピアノがあり障子の向こうに一面芝生の広い庭と大きな木が印象的な落ち着いた雰囲気の家。記憶が定かでは無いが4時間位かけて正常の音の高さに上げて弾ける状態にしたというのが最初の出会いでした。調律をするとかなり良い音になったが15年程放置されたピアノで1回しか調律してない言わば寝たきりの人を叩き起こしてさぁ~全速力で走りましょう!なんて訳には行かないのと同じで次の調律までには、又随分音は下がるだろうとそんな感じの説明を丁寧にお客様にすると「折角、縁があってこの家に来たピアノですからこれからは、ちゃんとしてあげたいんです。」と仰った。息子一人と娘二人の三人のお子さんを持つご家庭で全員がピアノを習い始めていました。ある年、調律の時期になってお電話差し上げても誰も電話に出られないのでどうしたのかなと思いながら、確か3カ月程、時期が過ぎていました。携帯で「はい、梅根です。お世話になっております。お元気で居らっしゃいますか?調律のご連絡を何度も差し上げたんですがどなたも電話に出られないのでどうされたのかな~?と思っていた所でした。」と申し上げると「そうだと思って、ごめんなさいね!私、今入院していて子供達は、実家に預けているんです。」「そういえば昨年もちょっと調子が良くないとおっしゃっていましたから、ちょっと心配していたんですよ!」と申し上げると「よく覚えていてくださいましたね。昨年から入退院を繰り返しているんです。それで今は、自宅に誰も居ないし調律をお願い出来ない状態なんです。ピアノ大丈夫でしょうか?」「ちゃんと毎年調律しているので大丈夫ですよ!退院されて落ち着かれたらお電話ください直ぐにお伺いしますよ。そんな事よりもお体お大事になさってください。」「今年の調律は、そういった事情で無理ですが来年の調律の時期にお電話くださる?これからもずっと毎年の調律宜しくお願いします。」と病床からいつもと違う、か細い声でこれからも毎年の調律宜しくお願いします、の言葉が良くない状況を察知させて僕の心に深く刻まれた。翌年の調律の時期にお電話するとご主人様が電話に出られてあの電話を頂いて間も無くお亡くなりになられた事を知らされた。その後、弾く機会を著しく失ったピアノですが、「妻が病院からそんな電話をしていたんですね。」とご主人様も奥様の気持ちに応えて毎年の調律を続けていらっしゃる。私もその思いに応えて丁寧に繊細に毎年の調律作業をさせて頂いて何時でも良い音で良いタッチで弾けるとても状態の良いピアノに仕上がっている。昨年、お伺いした折に次女に女の子が生まれた事を聞かされて「数年したらお孫さんがピアノをつかってくれますね!」と言うと「そうだと嬉しいですね(笑)!」とご主人様が仏壇の遺影写真に微笑みかける様子に僕の心がきしんだ!1台のピアノを通じてなんて素晴らしいお客様と知り合えたんだろう。この仕事をしていて本当に良かったと思える瞬間でした。そんな出来事を思い出して悦に入っているとあの買い出しに出掛けた時の妻の冷やかな顔がよぎった!あ~改めて一日も早いコロナウィルスの終息を心の底から望んだ!