緊急事態宣言も解除?多くの人々が外に出て満開の桜の美しさと春の日差しを満喫している。もう一年以上もコロナに怯えて十分に警戒してマスクを手放さず日に何度も消毒をして大人しく過ごしているが一向に収束の兆しさえも見えない。まだまだ先の見通しすら覚束無い状態でこれ以上の自粛と言われても暖かな日差しの中、華麗に咲き乱れる桜の光景を目の当たりにして疲れた心に潤いを感じ沸々とした気持ちも晴れやかになるのなら、そこに足を運ぶ事はもはや誰にも止める事は出来ないでしょう!そんな春の日差しの中で今回は、弊社の3月の様子をここに書き記しておきたいと思います。
3月と言えば年度末、学校や公共施設の仕事は3月末までに仕上げなければなりません。当然ピアノの修理仕事も目白押しになるが、ピアノの修理は、とにかく細かくて面相臭くてただただ忍耐が必要になる。ある施設のピアノの部品が過使用により摩耗が激しく交換が必要になった。メーカーに部品アッセンブリーの調達依頼を出すと現在アッセンブリー部品は、全て中国生産でこの古いピアノの場合は、特別に作らなければならないので2カ月程掛かるとの返答。依頼元に告げると「どうにか年度内で修理出来ないでしょうか?」しょうがなく部品を全て分解して悪い所を全て手仕事で交換する事にした。大変な労働時間となったがこんな地味なコツコツ仕上げるだけの高度な技術とは無縁の仕事が結構面白くて仕上がりがことさら美しいと何故か存分に楽しく夢中になって仕事を終えた。
お客様宅にお伺いすると最近では、在宅勤務のご主人様がいらして長年お伺いしていてもご主人様には一度もお会いした事がないなんて普通にある事です。しかしコロナ禍の中に置いては、初めてお目に掛って話が盛り上がって新たな繋がりが出来てとっても楽しい。また、自宅に居る事が多い事でまたピアノを始めた方やピアノを買い替える方など悪い事ばかりでは無く、功を奏する喜ばしい事もある。昨年夏に全塗装をしてそのまま放置していた可哀想なピアノを今年手を入れ始めた。どうせならと鍵盤から順序立てて丁寧に高価な部品を使用して楽しみながら作業を進めた。交換部品が新しくなったり何度も調律をしたり調整をしたりするとどんどん音と弾き心地が良くなり音色が際立って来る。「もしかして俺って天才(笑)?」なんて独り言を言いながらピアノと対話をしていると何だかピアノも嬉しいらしくどんどん良い音になって楽しくてあっと言う間に仕上がってずっと手元に置いておきたくなる(笑)が不思議とそうしたピアノは、直ぐに売れてしまう。嬉しい事なんですが、可愛い娘を嫁に出す様なちょっと複雑な気持ちが入り混じる(笑)。次のオーナーの為に再度出荷の為の最終調整を念入りに仕上げた。
コロナ禍の影響で昨年は、横浜市の中学校での職業講話は、全て中止になりましたが、今年は、実施され何時もの様に「ピアノ調律の仕事と楽器業界のお話+調律体験」をやりました。マスクをして手袋をして大声で生徒達に1時間お話をするのって物凄く疲れる。マスク無しでも大声を出し続けるのってかなりな訓練と体力を必要としますが、マスク装着となると酸素吸入が少なくなるのか?2年ぶりの授業だからなのか?授業を終えた後にぐったりと疲れが押し寄せた。勿論、生徒達もマスク装着なので何だか表情が読み取りにくく全体的におとなしく感じた。はたして僕のメッセージ「一番好きな事を仕事にしなさい。一番好きな事を仕事にする事が一番幸せです。皆さん、大好きな事を見つけてください。」と色んな経験談を交えて必死で大声を出して生徒達に伝えています。はたして、そのメッセージはどの位生徒達に伝わっているのかマスク装着の顔からは、全くその反応は読み取れず手ごたえを感じる事が出来ずに何時もより不安が増して疲れも増してこんな所にもコロナの影響が!とコロナウィルスを更に憎んだ!
数日後、中学校から生徒達のお礼のお手紙がまとめて送られて来ます。急ぎ封を切って読むと70%位の生徒達に私のメッセージが上手く伝わった様な気がする。世の中、好きな事を仕事にしている人って意外に少ない様で簡単な様でかなり難しく現実は厳しい。儲かる儲からないも重要ですが一生貫く仕事を持つ喜びは、お金で計り知れない尊い物だとあの福沢諭吉先生も言っている。一生を貫く仕事とは、やはり好きな事で無いと夢中に成れない続かない、一生は貫けないだろう。将来性や損得よりもその尊さが富を生み続ける事になるだろう。私の場合は、幸いな事に一番好きなピアノを仕事に出来て夢中に成って未だに勉強の最中。残念ながら全く富は、築けていないが楽しく幸せを感じてピアノに触れあって一生を貫いている最中。いやこれから、いよいよ大きな富が築けるかもしれない!と希望を持ってももうこの歳になると欲しい物は無いし(笑)!まぁ~健康で楽しければこれ以上の幸せは無いだろう!改めて一日も早いコロナウィルス騒動の収束を切に願った。